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第十二話 宿場村リアーノ

「・・・辿り着いたは良いけど、何やら騒がしいな」


到着した宿場村リアーノは少し騒がしかった。


「まぁ、村人に聞けば良いか。・・・すみません」

「ひっ!?・・・って、何だ。旅人さんか」


ロウキーの背から降りて、近くにいた青年に話しかけると思いっきり怯えられた後、安堵された。本当に何があったんだ?


「村が少し騒がしい様ですけど、何かあったんですか?」

「ああ、実は月光熊が出たんだよ」

「月光熊って、あのDランクの魔物がですか?」


俺が聞き返すと、「ああ」と青年は頷き返してくれた。俺はそこで感謝の言葉を言って離れた。


「・・・しかし、おかしいな」

《何がっスか?》

「ここに月光熊が現れたことだよ。人里近くにDランクの魔物がいるのは珍しいが、前例のある話ではあるんだ」

《なら、何処もおかしく無いじゃないっスか》

「それが月光熊では無ければな」


俺の言葉にキョトンと首を傾げるクロにその根拠を教えた。


「本来月光熊は、此処よりもっと北にある、ハルムラク連邦とサームラスト王国の国境にある森林地帯に生息する魔物なんだ」

《それってどんな所何スか?》

「一年中、寒い所なんだよ。此処より遥かにな」

《そんな寒い所で暮らしている月光熊が、何で遠く離れた此処に現れるんスか!?》

「だからおかしいんだよ」


理解して驚いているクロに俺は頷き返した。


《で、嬢ちゃん月光熊の事を調べるつもりか?》

「確かにそれも気になるが、それより先に今日の宿を取らなくちゃな」

《それもそうっすね》


俺はロウキーに答えながら、『暁の黄昏れ』と言う少し引っかかる様な名前の宿へと向かうのだった。

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