第四話 クロ、天を駆ける
俺は今、貴族達と一部の豪商が暮らす貴族街と市民達が暮らす市民街を分ける門の近くにいた。
「・・・さて、このドレスから着替えないとな」
俺は今着ているドレスの裾を掴みながら呟いた。が、着替えられそうな場所は近くには無い。
「仕方ないかな・・・」
俺は溜息を吐くと、門から少し離れたところにある、建物の陰になっている場所に移動して、『気配察知』と『霊視』を使い周囲に人がいないことを確認してから、影魔法の『シャドウカーテン』とスキル『隠蔽』と『隠遁』を使用して姿を消して、『身体能力超上昇』と『加速』と『身体強化』を使って早着替えを行なった。
ピロリン!スキル『早着替え』を取得しました。
なんか使えそうなスキルも手に入れながら着替えを終わらせた。
「さて、次はどう動けばいいのやら・・・。取り敢えず、『召喚:クロ』」
《呼ばれて飛び出てわわわわ〜ん!っス!》
何処ぞの大魔王のような事を言いながら俺の影からクロが飛び出してきた。
《何か御用っスか?主人殿!》
「ああ、取り敢えず・・・」
俺はそこで俺の横にあった貴族街と市民街を隔てる壁を指差して言った。
「この壁を飛び越えたい」
《了解っスよ!》
クロは自信満々に答えて、普段から使っている『身体縮小』を解除して本来の姿に戻った。俺は『隠蔽』スキルと『隠遁』スキルを使ってクロの姿も隠した。
「じゃあ、よろしくな!」
《イエスマイロードってやつっスよ!》
俺が跨ると、クロは『身体強化』を発動して高く跳躍した。そして、俺は風魔法を利用して一時的な足場を作り、クロの援護をした。
ピロリン!クロがスキル『天駆』を取得しました。
「お、成長したな!クロ!」
《お、わかったっスか?やっぱ主人殿にはわかるっスね〜》
クロは早速『天駆』を発動した為、俺は風魔法を止めた。
そして無事に、貴族街どころか王都から出られたのだった。




