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幕間 逃げるもの
新章です。
「はっはっはっ・・・」
私は森の中を身体強化しながら走っていた。途中で止まって周囲に気配探知を張ると、まだ追いかけてくる複数の反応があった。
「おい、こっちだ!まだ人目に入らないうちに始末するぞ!」
耳をすますと、私を追っている男達の声が聞こえた。
(何で何で何で何で・・・!)
私は少し呼吸を整えると、また走り出した。頭の中の大まかな地図ではもう、ケルトの森の中でも、アストリア王国に位置する場所なはずだ。
私はまだ逃げる。逃げなければならない。父に、母に、仲間達に庇われた命なのだ。けど・・・
(なんで、ただのスキルの為にこんな目に合わないといけないの・・・!?)
私の目尻から涙が溢れた。しかし、それを拭う事なく、ただ前を見据え、私は走り続けた。この逃走劇が早く終わる事を願って・・・。
新キャラです。




