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第四話 神様がやってきました。

エクリシオンの言葉に俺は思わず聞き返してしまった。


「・・・悪い、もう一回言ってくれないか?」

「はい、良いですよ。貴方が与えられたのは『怠惰』です」


・・・やはり聞き間違いじゃなかったのか。


「誰が怠惰だよ・・・」

「痛い痛い痛い異端審問会!」

「お前は中世以降のカトリックかよ」


グリグリグリグリ・・・っと、エクリシオンの頭を春日部市在住の最強主婦ばりのグリグリで攻撃した。変な叫びを上げるエクリシオンにツッコミを入れて俺は解放した。


「で、申し開きは?」

「いや、あのですね竜人さん。天魔能力『怠惰』はあの有名な七つの大罪の一つなのですよ!ちょー強いです!」

「いや、だったら他の強そうなのを頂戴よ」


俺のツッコミにエクリシオンがかたまった。そして震える口を開いた。


「ツッコミのレベルを上げていきますね・・・!」


ピロリン!スキル『ツッコミ』のLVが上がりました。


「いや、ここで上げなくても良いから。と言うか、何故にツッコミなんだよ」

「痛い痛い痛いたんふぉーむ!?」


またもや、かのご高名野原家の主婦が如くグリグリ攻撃を食らわしたのだった。




◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆




「・・・で、結局俺に与えられるのは『怠惰』何だな?」

「はい、それ以外にまだ所持者がいない天魔能力の中で、竜人さんの現在の実力で使えこなせ、その上でデメリットが少ない奴だと、『怠惰』か『慈愛』の二つしか無いんですよ」

「なら、慈愛も寄越せ」


俺がそう言うと、エクリシオンは頭を掻きながら答えた。


「いえ、現状の竜人さんの能力では一つまでしか持てないんですよ」

「・・・そうか、分かったよ」


俺はエクリシオンの言葉に頷いた。すると、「あ!」とエクリシオンが声を上げた。


「・・・どうしたんだよ」

「あー・・・実はですね。竜人さんが『悪魔殺し』を行ったって聞いて、興味を持った神様がいましてね・・・」

「それがどうしたんだ?」

「会いたいそうです」

「は?」


エクリシオンがそう言うと同時に、空間が歪み、そこから綺麗な男性が現れた。ショートヘアになっている紫髪に、ツリ上がり意志の強そうな金眼。そして、まさに上位者だと言わんばかりの威圧感が、彼を神だと証明していた。


「やぁ、君が山本竜人君かな?・・・それとも、エリシア・フォン・アルゲートと呼んだ方がいいかい?」


彼に尋ねられても、俺は口をパクパク確か動かす事しか出来ず、声が出せなかった。


「ボルパマルファシエラ様。その威圧を抑えてください。竜人さんが気圧されています」

「ん?ああ、ごめんごめん」


パチンッ!と彼、ボルパマルファシエラが指を鳴らすと、威圧が解けた。

俺は少し乱れた息を整えながら、男にしては高い声をする彼に向けて俺は尋ねた。


「貴方は?」

「ああ、そうだったね。私は剣神ボルパマルファシエラというものさ。気安くシエラと呼んでくれ」

「剣神様、ですか・・・」


剣神・・・シエラはくすくすと笑いながら俺の肩を叩いた。そこで、俺は気になっていた事を尋ねた。


「ところで、シエラって女みたいな名前だな」


その言葉を聞いた時、シエラが固まった。一体どうしたのだろうか。俺は首を捻ったのだった。

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