幕間 帝国の〇〇〇
今回の幕間はこれで一応最後です。
アストリア王国の隣国、ファルミーユ帝国帝都の中心に聳え立つ帝城の一室に窓辺で空を見上げている少女の姿があった。
「はぁ・・・」
少女の名前はリーナシア・フェル・ファルミーユ。ファルミーユ帝国第四皇女という肩書きを持っている。
「りゅー君・・・早く会いたいよ」
そして日本人の少女、東雲莉奈の記憶を持った転生者でもあった。
「なんで皇女なの?あの天使を脅してりゅー君に必ず会えるようにさせたのに・・・」
リーナシアは艶やかな黒髪を弄りながらそう呟いた。
と、その時、扉が叩かれた。
「リーナシア様。少しよろしいでしょうか?」
「・・・入室を許可します、サルバーン」
リーナシアは扉に視線を向けてそう言った。
「実は、リーナシア様が十二歳になった時、隣国のアストリア王国にあるアストリア王国立学院へ留学することが決められました」
「私がアストリア王国の学院に?」
「はい」
リーナシアが聞き返すとサルバーンは頷いた。それを見たリーナシアは「そう」と呟くと、顔を上げてサルバーンに向けて言った。
「サルバーン。私の留学については分かりました」
「では、私はこれで失礼させてもらいます」
サルバーンが去ったのを見届けたリーナシアはボソリと呟いた。
「・・・アストリア王国立学院、か。もしかしたらりゅー君も居るのかも・・・!これがりゅー君に会う運命ってやつだったんだ!」
そう呟いたリーナシアは十二歳になる五年後、学院で愛しい竜人に会える事に想いを馳せるのだった。
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その頃、アストリア王国の王都にあるとある屋敷にいた少女は突然走った悪寒に身を震わせた。
「・・・何だ、この悪寒は?またなんかの事件に巻き込まれるのか?」
ピロリン!スキル『予測』のLVが上がりました。
「・・・更に嫌な感じになったんだけど」
《主人殿、一体どうしたっスか?》
「いや、何でもないよ。クロ」
そう言って少女は足下に居た小さな黒い犬を撫でたのだった。
〇〇〇に入るのは、転生者でした。
そして、一応次回からは学院編が開始する予定です。
・・・あくまで予定ですので、もし、楽しみにしていた人がいるのなら違っていても許してください。




