第四話 デビュタントに出陣しました。
今回新キャラ出ます。
「エリシアー!!」
その声に振り向くと、そこには黄色いドレスに身を包んだレイナがいた。そしてその隣には金髪に翡翠の様な綺麗な翠眼の少年がいた。
「ほう、彼女が、レイナや父上が話していたエリシア嬢か?」
少年は俺を見てそうレイナに尋ねていた。・・・ていうか、レイナ。一体俺の何を話したんだ。
俺は彼が紹介されるのを待った。が、少年はレイナとコソコソと話してばかりで名乗りもしなかった。
それを見かねたのか、兄が声をかけた。
「カストル殿下。一体私の妹にどんなご用があるのでしょうか?」
・・・って殿下!?この少年が!?
「ああ、すまない。いや何、最近良く耳にするからな、スベルム殿の妹君の事をね。・・・と、まだ君とはちゃんと名乗り合ってなかったな。私はアストリア王国第二王子のカストル・フォン・アストリアだ」
「あ、私はアルゲート伯爵家のエリシア・フォン・アルゲートです」
カストル殿下が名前を名乗ったのに続けて、俺は慌ててカーテシーをしながら名乗った。それをカストル殿下は少し微笑みながら見ていた。
「・・・しかし、カストル殿下は何故、レイナ様と共にいるのですか?」
外野の様な顔で俺たちの会話を見ていた兄がそう疑問を投げかけた。それにカストル殿下は「ああ」と少し反応を示して、兄へと向き直った。
「何、簡単な事だ。私がレイナのデビュタントのエスコート役というだけだ」
「私に拒否権はなかったよ、お父様達が勝手に決めた事だし!」
殿下の説明の後に、レイナがポロリと暴露した。いや、その裏事情は聞きたくなかったんだけど。
「彼女とは実はかなり古くからの付き合いでな、・・・と言ってもまだ私達は七歳だから、そこまで長くはないがな。で、どのぐらいからかというと・・・」
「赤子の頃から一緒なんだって!」
「・・・レイナ。そこは私が説明をする番だっただろう」
「あれ、そうだっけ?」
「全く、レイナは相変わらずだな・・・」
説明に割り込んだレイナの悪びれていない態度に、殿下も少し眉間を抑えていた。
「と言うことは、将来レイナ様はカストル殿下の婚約者になるのでしょうか?」
和かに笑い合っていた殿下とレイナに兄がそう尋ねた。それに対して殿下は「まぁ、可能性はあるがな」と答えた。その話を聞くと、やはり、貴族なのだと再認識させられたのだった。
彼は王太子、アルフレイド様の息子です。王太子殿下も同じ様な容姿なのでございます。




