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第二話 王城へと向けて

「お嬢様、お時間です」

「わかりました。セバス」


俺はそこでメニュー表示を弄り、邪魔にならない位置に二行だけログが見える様にして、立ち上がり、部屋の外へと出た。

それと、今更なのだがこのメニューには、無限収納の中に入れてある物の一覧表なんかも表示させられるため、かなり便利なのだ。しかも、検索機能付なので、必要になった時一々探さなくていいのだ。


「お嬢様?」

「ああ、すみません。少し考え事を」

「そうですか。なら宜しいのですが」


セバスはそう言って馬車へと歩いて行った。因みに今日のエスコート役は既に経験者である兄のスベルムである。


「エリシア、行こうか」

「はい、兄様」


俺は兄に頷いてその手を取った。そして兄は、掴んだ俺の手を優しく持ち上げて馬車に乗る時の補助をしてくれた。とても紳士的だ。


「では、出発致します」


セバスがそう声をかけて、馬車を発車させたのだった。



◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆




「けど、そのドレスは本当に似合っているよ」

「そうでしょうか?」


俺は兄の言葉を受け、自身が今来ているドレスを見下ろした。

青みがかった白いドレスを青い花の飾りと白いレースが装飾している。そして髪はアップにまとめられていて、これまた青い花の髪飾りを一つつけていた。


「ああ、花の精の様に可憐だよ」

「私、花の精の様に小さくないつもりなのですが」


俺は兄のお世辞をスルーして窓の外を見た。夕暮れに染まった街はとても綺麗だった。


「エリシアはクールだねぇ・・・」

「そうでしょうか?」


俺は兄の言葉に首を傾げた。もしかしたら男だった記憶があるから、女性への口説き言葉に余り反応しないのかもしれないな。


「おっと・・・もうそろそろ着くみたいだね」


兄の言葉通り、王城がもう目前まで迫っていた。


「じゃあ、エリシアの可憐さを他の子達に見せ付けようね」


その言葉を聞いた時、俺は兄から顔を背けた。何故なら今の俺の顔は「うへぇ」と歪んでいたからだ。やはり、兄のブラコン、シスコン発言は慣れないな・・・。


俺は少しだけ疲れた表情で溜息を吐いたのだった。

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