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幕間 王城での話し合い

今回の話は主人公は出ません。所謂サブキャラ会です。

この目線は国王陛下その人なのでした。

「・・・と、これが今回の件についての報告でございます」

「・・・そうか、ご苦労だった。アルゲート卿よ」

「はっ!ではこれにて失礼させていただきます」

「うむ」


そう言ってアルゲート卿は謁見の間から退出した。


「しかし、父上。ウェルヤ平原に何故、デゼアの森でも滅多に出ないCランク魔獣のダークネスウルフが?」


アルゲート卿の退出を見届けた我が息子のアルフレイドがそう問いかけてきた。


「・・・分からぬ。しかし、何かが起きるのは確かかもしれぬ」

「意外とあの御伽噺も眉唾物ではないかもしれませんね」

「・・・ああ。ならば、あの魔法も本物かもしれぬな」

「・・・けれど、出来ればあの伝承の魔法は使いたくはないですね」


儂の言葉に少し表情を暗いものにしたアルフレイドが呟いた。


「確かにそうだ。あの魔法は儂らとは全くもって関係の無い者を無理やり巻き込む物であるのだからな。・・・しかし、儂はそんな見ず知らずの存在よりも、この国が大切だ。ならば、喜んで汚れ役も引き受けようぞ」

「父上・・・」


アルフレイドは儂の言葉に呆然として、儂のことを呼んだ。恐らく無自覚なのであろう。


「しかし、魔獣ダークネスウルフを従えた五歳の娘か・・・」

「正直信じられませんね」

「いや、アルゲート卿はそのような冗談を言わぬ人間だ。故に、信憑性が出てくる」

「だから、父上は呼び出したのですか?」

「うむ」


儂はアルフレイドの疑問に頷き、肯定した。


「そして、誠にアルゲート卿の娘がその様な才能の持ち主ならば、お前の息子の嫁にどうだ?」

「・・・出来れば、息子には自由恋愛をして欲しいですね」

「そうだな。儂もお前もそうやって愛した女と添い遂げることが出来たからな」


儂はアルフレイドとそう雑談をしていると、不意にアルフレイドが立ち上がった。


「では、父上。この後に私も公務がありますので」

「うむ、時間を取らせたな」

「いえ、大丈夫です」


アルフレイドも退出した謁見の間で、儂は一人呟いた。


「しかし、あの話が本当だとしても、儂らは・・・人間は負けぬぞ、魔王よ・・・!」

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