第十四話 屋敷に帰って
そして、レイナの頬擦りによってグッタリとした縮小化クロ・・・この時はチビクロとでも呼ぶか。で、そのチビクロを抱えて屋敷に帰ると、やはり、騒ぎになった。
「エリシア・・・。何故都外の平原で遊んできて、何故使い魔を、それもCランクのダークネスウルフを連れて帰ってきているのだ!?」
途中で興奮したのか、父の声が途中からどんどん大きくなっていっていった。
「旦那様。落ち着いてください」
「・・・うむ、そうだな。セバス」
すぐさまセバスが落ち着かせたおかげで、父は再び椅子に座った。
「それで、色々と今回の事について報告して貰おうか」
俺は父の言葉に頷き、事の顛末を話した。
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「・・・そうか、ウェルヤ平原にか。それは確かにおかしいな。もしや、デゼアの森で何か異変があったのか?」
俺の話を聞いた父が難しい顔でそう呟いた。・・・しかし、父は財務官だからあまり関係は・・・
「これは、何かあるかを調べるための費用に、何かあった時の特別任務に就いた騎士達への手当が必要になる。暫くは調整しないとな・・・」
・・・あったな。
俺が父の独り言を拾って・・・
ピロリン!スキル『聞き耳』を取得しました。
・・・また増えた。けど、今後もかなり使えそうなスキルだしいいか。
「さて、エリシア。この事については国に報告する必要がある。そして、そのダークネスウルフについても話さなければいけなくなる為、エリシアが使い魔を手に入れたことも話さなければならない。それはいいな?」
「はい」
父の質問に俺は頷いて答えた。それを見た父も頷き返して、「ではもう自由にしていいぞ」と話の終了を告げたのだった。
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父との話が終わり、俺は自室へと戻っていた。
「・・・さて、新しいスキルの方は大体予想がつくからいいけど、ユニークスキルと称号の方は確認しよう」
俺はそう呟いて、改めて確認しようとすると、視界に新しくタブが開いた。
メニュー機能をONにしますか?
[YES] [NO]
・・・まるでゲームみたいだな。けど、取り敢えずはYESで。
そちらに意識を向けると、ピコン!という音とともに視界が変化した。そこには、以前も見た事のあるログの他にはマップ表示と、ステータスと書かれたものがあった。
視界いっぱいに広がっているので、見えないから「消えろ!」と意識するとそれらの表示は綺麗に消えた。個別に出せるかと思いやってみると出せた。これは中々に便利な能力のようだ。
続いて、『霊視』のスキルを調べようと思う。今度はステータスカードを見ずに、メニュー機能を使って見れるので、かなり楽だ。
しかも、この時気付いたが、このメニューは、他のスキルと合わせて使うと、かなり便利になるようだった。因みに俺が使ったのは鑑定で、メニューのステータスに向けても鑑定できるようだった。
そして、得た霊視の情報がこれだ。
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霊視:霊体を見ることが出来る。隠蔽系スキルで隠れている生命体も把握出来る。ただし、魔道具などは識別出来ない。
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どうやら霊視のスキルは、生命反応を見つける事に特化した能力らしい。副次効果では、精霊や妖精なども薄っすらとその存在が感じられるらしい。流石、ユニークスキル。かなりの性能だ。
そして、次は称号だ。
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大物喰らい:己より格上の存在に打ち勝った者に与えられる称号。
効果:攻撃系スキル威力上昇
魔獣使い:使い魔を得た者に送られる称号。
効果:使い魔との意思疎通に+補正
使役者:会話出来る存在に上位者と認識され、その上で服従させる者に送られる称号。
効果:配下のスキルを使用可能
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・・・つまり、俺も小さくなれるってことか?
使役者の効果に少し現実逃避気味に俺は考えた。けど・・・
「クロのスキルって何があるんだ?」
俺がそう呟くと、ステータス欄にあった従魔という項目のクロの名前が光って新しい表示が出てきた。そこにはクロのステータスが書かれていた。
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名前 クロ
年齢 15歳
種族:ダークネスウルフ
LV12
職業 使い魔
スキル
疾駆LV 8
影魔法LV 2
爪牙LV MAX
暗視LV MAX
気配察知LV MAX
咆哮LV MAX
威圧LV MAX
罠看破LV 3
身体強化 LV MAX
身体縮小LV MAX
状態
隷属(対象:エリシア・フォン・アルゲート)
称号
使役される者
殺戮者
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・・・意外とクロが強かった。
その頃、クロはお外で駆け回ってました。




