第十一話 ぶっ放しました。
刺されたおじさんは、自らの腹に手をやり、手に付いた血を見て叫んだ。
「なんじゃあこりゃああ!?」
随分と余裕そうだな!?○ーパン刑事かよ!?
ピロリン!スキル『ツッコミ』のLVが上がりました。
ツッコミスキルのLVはもういいよ!
《次はガキ共だ!柔っこい肉に歯ぁ立ててやるぜぇ、ワイルドによぉっ!》
コイツはコイツでス○ちゃんみたいな事言ってるし・・・。この世界、以前にも俺と同じような奴が来たのかな?
「私が殺るからエリシアは下がってて!」
そう言ってレイナは俺の前に立ち、詠唱を始めた。
《小賢しいわ!小娘が!》
ダークネスウルフはそう言って俺達へと、襲いかかってきた。
「『エクスプロード』!!」
詠唱を終わらしたレイナがダークネスウルフに向けて火炎魔法LV5の魔法『エクスプロード』を放った。ん、俺は戦わないのかって?いや、俺はレイナの攻撃の影響から護衛の人たちを守っていたんだよ、結界で。護衛の人達はまだ息が有るようだったし、レイナはそこら辺考えていない様だったからね。ナイスファインプレー、俺!
しかし、レイナの攻撃はダークネスウルフには躱されてしまった。
《熱い!熱い!熱いい!》
まぁ、ダークネスウルフは魔法の影響による熱波にやられているが。
「熱い熱いよぉ!!」
・・・術者のレイナもやられているが。って、ヤベェ!?
「熱い熱い・・・ってあれ?熱くない?」
「もう少しよく考えて魔法を使ってください」
俺が慌ててレイナの周りに結界を張った為、レイナは余り熱にやられなかった。少し火傷はしていたが。
「『ヒール』」
「あ、エリシア。ありがとう!」
俺は治癒魔法を唱えてレイナの火傷を癒した。それにレイナは笑顔でお礼を言ってくれた。・・・少しばかりむず痒い。
《お前ら殺す!殺してやる!》
熱のダメージから立ち直ったダークネスウルフはそう吠えてまた飛びかかってきた。
ガンッ!
《グワィタァッ!?》
しかし、俺の張った結界に激突してその痛みでダークネスウルフはまた転げ回った。
「・・・アホなのかな、あのダークネスウルフって」
「自分の魔法でダメージを負ったレイナ様には言われたくはないと思いますよ」
「それは言わないで!」
レイナの呆然とした呟きに突っ込んだ俺の言葉にレイナは頰を恥ずかしそうに赤く染めて叫んだ。
《チックショー!!馬鹿にしやがって!》
ダークネスウルフはコ○メさんの様なイントネーションで叫んだ。
「レイナ様、私に任せて貰えませんでしょうか?」
「別にいいけど・・・」
「では、今から行う事は口外しないと約束してくれますか?」
「う、うん。勿論だよ」
ズズイと近づいた俺にレイナは戸惑いながらも頷いた。
「絶対ですよ。もし破ったらボンっとしますからね」
「何をボンってするの!?」
俺の言葉を聞いたレイナはそう叫んだ。が、俺はそれを無視して詠唱を始めた。
《はっ!何をしようとしているか知らねぇが、俺は屈さね・・・》
「『エアロブレイク』」
《エンドラックス!?》
俺が放った暴風魔法LV 2の魔法『エアロブレイク』でアッパーを放つ様に唱えた。そして、ダークネスウルフは謎の奇声を上げながら空を舞ったのだった。
少しネタを仕込みました。