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第二話 喧嘩の理由

 俺がお友達からと頼んできたゼシアに丁寧にお断りの返事を返すと、ゼシアは魂の抜けた幽鬼のような顔でフラフラと廊下から去って行った。


「・・・まぁ、この前の態度を考えると仕方がない・・・のか?」


 オルバート先輩は溜息を吐きながら小さく呟くと、ゼシアの後を歩いて追うように去った。


「・・・エリシアって本当にモテるよね」

「・・・?いえ、告白されたのも初めてですが」


 レイナのしみじみとした呟きに首を傾げつつ答えると、「・・・まぁ、守護者達が凄いからね」と呟いた。・・・守護者とは一体何の事だろうか?






◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆





「それは・・・何と言ったらいいのか・・・」


 教室に入り、いつものメンツが集まった。そこで、今朝廊下であった事をカストル殿下に話した。すると、カストル殿下は頭が痛そうに溜息を吐いた。


「話に出てきたオルバート先輩と言うのは、オルバート・フォン・ゴルドーダ。ゴルドーダ公爵家の嫡男だな」

「・・・ゴルドーダ公爵家の、ですか」


 思ったより大物の家の名が出てきて俺は少し驚いた。

 ゴルドーダ公爵家とは、レイナの実家であるメルアード公爵家と並ぶ四公爵と呼ばれる古い家の一つで、主に軍部に強い影響力がある。現在の将軍も現ゴルドーダ公爵らしいし。


「そんな人がゼシア先輩の面倒を見てるんですね・・・」

「あの人は面倒見がいいから、問だ・・・ゴホンッ!少しばかりヤンチャな貴族身分の子息達の一部を纏めているんだ。・・・少し前に言ったと思うが、例の校舎損壊事件はゴルドーダ公爵子息が纏めている子息達と、それとはまた違うグループとの大規模な喧嘩によるものだそうだ」

「喧嘩って・・・。何が原因ですか?」


 その分だと、オルバート先輩は直接は関わって無さそうだが・・・。一体喧嘩って何があったのだろうか。


「・・・いや、廊下を歩いていたお互いのグループ所属の生徒の肩がぶつかり、その言い争いがそのまま大きくなって・・・と言う流れらしい」


 カストル殿下は苦笑いを浮かべながら喧嘩勃発の理由を教えてくれた。

俺は予想以上にしょうもない理由の喧嘩に逆に驚いた。それで良いのか先輩達よ。


「・・・まぁ、平和な事は良いんだけどね」


 レイナも苦笑いを浮かべてそう言うのだった。

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