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第八話 家族は愉快です。

いやー、まだまだ続きます。続きますよ。

「エリシア、遊びに行こ!」

「何処に行くのでしょうか」


客間で待っていたレイナに向けて、俺はそう疑問を投げかけた。


「何処に・・・て、街の外に!」

「危険ですので却下致します。それではこれで」

「え、ちょっ、エリシア〜!?」


俺はさっさと客間から退出した。背後からはエリシアが呼ぶ声が聞こえたのだったが、聞こえないフリをした。


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


「話はセバスから聞いたが・・・。何故、メルアード公爵令嬢がお前に会いに来たのだ?」


夕食の時、父が俺にそう疑問を投げかけてきた。


「それは、メルアード公爵令嬢が私を友人にしたのです」

「うえぇぇっ!?」


俺の言葉に兄が叫んだ。食事中にマナーがなってないな。この俺を見習いなよ。


ピロリン!スキル『テーブルマナー』のLVが上がりました。


・・・また上がったな、このスキル。


「しかし・・・エリシアがメルアード公爵令嬢の友人にか」

「はい、お父様」

「貴方、食事中なのですからそんな難しい顔をなさらないでくださいな」

「あ、ああ。そうだな・・・」


俺の頷きを見た父は顎に手をやり考え始めた。それを見兼ねた母が、父に微笑みながら言うと父は少しきまりが悪そうに頭を掻いた。そして、キリッと父の顔付きが変わった。


「エリシア。メルアード公爵令嬢が何を考えてお前を友人にしたのかは判らないが、我が家に迷惑はかけぬように」

「はい、お父様」


父は貴族らしく家の名前を大事にしているようだ。が、その目には俺の事を心配する色があったから、父は家族の事を思う優しい人物なのだという事を改めて実感したのだった。



◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆



次の日の朝、俺は寝台の上で一伸びをすると、窓を開けて鳥の鳴き声を聞こうと耳をすますと、声が聴こえてきた。


「エリシア〜!遊ぼうよ〜!」


俺を遊びに誘うフットワークの軽い公爵令嬢の声が・・・



「何で二日連続で会いに来ているのだ!?」

「お父様、私にも何故か分かりません!」


父は珍しく取り乱したように叫び、俺もその声に負けない程の大声で言い返した。


「どうしよっ、どうしよっ、どうしよっ!失礼が無い様にするにはどうしたら良いの!?」

「スベルム様。まずは落ち着くべきかと」


兄は右往左往しながら叫んでいた。それにセバスは落ち着いたまま、そう助言していた。そうだぞ、兄よ。弟を見習え。ほら、まだ幼いのにこーんなにどっしりと・・・


「・・・・・・・・・」


・・・してなかった。弟はただ、気絶していただけだった。何となく、弟の口からエクトプラズムが出ている気がし・・・


ピロリン!ユニークスキル『霊視』を取得しました。


わーい、やったね!新しいユニークスキルを手に入れたよ!ってなるかぁ!何でこんなに簡単にユニークスキルがポンポン手に入るんだよ!


ピロリン!スキル『ツッコミ』のLVが上がりました。


もうええよ!


「ねーえ、エリシア〜!!早く出てきてよ〜!」

「いかん!こうも長く待たせては・・・」


ゴツンッ!

ガシッ!

バターンッ!!


「ぎゃぁぁぁぁあ!?」

「おぶろごす!?」


・・・何だこりゃ。ま、まぁ今会った事を説明すると、父が慌てて足を机にぶつけてよろめいた後、父が近くに居た兄の服をうっかり掴んでしまい、そして一緒になって床に倒れたのだった。


「取り敢えず、セバスはメルアード公爵令嬢を迎え入れてください」

「畏まりました、奥様」


やはり、母様とセバスは落ち着いていたのだった。

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