表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

129/155

第十一話 転生者の目覚め

医務室・・・。


「・・・・・・・・・はっ!?」


 目を開けると見知らぬ天井だった。


「ここは・・・」


 慌てて身体を起こすと、そこは病院の病室と言うより学校の保健室に近い部屋だったが、見た事のない場所だった。


「えっと・・・確か僕は・・・」


 思い出そうとすると、何故か頭がズキズキとひどく痛んだ。


「そうだ・・・思い出した」


 そう、思い出した。僕は・・・。


「死んじゃったんだ・・・」


 僕、光井(みつい)(ひかる)は中学一年生だった。だけど、学校からの帰り道、信号無視で突っ込んで来たトラックに轢かれ、吹き飛ばされた。

 そこから先の記憶が無いと言う事は、僕はそれで死んだと言う事だろう。


(・・・何か、神様か何かに会った気がするけど)


 少し首を捻っていると、見た事の無い美少女が扉を開けて入って来た。


「あっ!目が覚めたのね!」


 美少女は僕を見て、笑顔で駆け寄って来た。


(えっ?一体どう言う事?)





◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆





 数時間後・・・。


「・・・それで、本当に記憶を無くしたのか?」

「は、はい・・・。すいません」


 僕の目の前には、2mぐらいの背丈のムッキムキなおじ様が居た。(雰囲気からしておじさんでは無くおじ様だ。)

 そのおじ様が、僕を見て額に手を当て「ハァ・・・」と溜息を吐いた。僕は、それについ、反応して肩をびくりと跳ねさせてしまった。


「・・・別に怯えなくて良い。手は出さないから」

「す、すいません」


 怯えたままの僕の様子におじ様や、美熟女、顔の似たイケメン三人組に、最初に見た美少女が、残念そうに落ち込んだ。


「・・・けど、僕が本当に貴族、なのですか?」

「ああ。君の名前はアルシノ。私の息子にして、ゴルゴーレス侯爵家の三男でもある」


 僕の父親を名乗るおじ様の姿を見て、息子の記憶が無くなった事に対して辛そうに顔を顰める父親の姿を見て、僕は本当に転生した事を感じたのだった。






◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆






Sideレイナ


「本当に悪気は無かったんですー!!」

「だからと言って流石に許されないだろうこれは!?」


 授業でレイナが思った以上の攻撃力を発揮してしまった為、俺とカストル殿下の二人はレイナと一緒に待機していた。

 そんな最中、先生からレイナが吹き飛ばして気絶させたゴルゴーレス侯爵家三男が記憶喪失になったと連絡が来て、今のこの騒ぎだ。


「記憶喪失だなんて噂では聞いた事は有ったが、実際に近辺でそんな事が起こるなんて!!」


 カストル殿下は予想外の出来事が起こった事に動揺しまくっていた。


(・・・本当にどうしたものか)


 そう言う俺も戸惑っていたが。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ