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第六話 戦神の加護

連続投稿ラスト!

「・・・と、また話が逸れちまったな」


 ボルキニオスが頭をガリガリと掻きながら言った。

 俺達も、ボルキニオスの言葉を聞き、「あー」と話がズレて行っていたのを思い出した。


「それで・・・何だっけ?」


 ボルキニオスが首を傾げてそう言ったため、俺たち一人と二柱はガクッと肩を落とした。


「いや、俺達がジェヴォーダンを封印したのが如何の斯うのって」

「あーそうだった!そうだった!」


 俺の言葉を聞き思い出したのか、ボルキニオスは手を打ち合わせた。


「その戦いっぷりがよぉ、凄かったから俺も加護を与えようと思ってな」

「・・・マジっすか?」

「おうとも、本気と書いてマジだぜ!」


 どこか、チャラ男っぽい言い回しをしながら、ボルキニオスが俺の額に指を押し当てた。・・・って!?


「痛い痛い痛い!?!?指圧が!指圧が凄い!?」

「あ、悪りぃ」


 パッとボルキニオスが指を話した後、俺は額に手を重ねて悶絶しながら、暫く転がりまわったのだった。





◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆





「疲れた・・・」


 あの後、ボルキニオスは誠心誠意の〝アクロバティック後方三回半捻りムーンサルト土下寝〟をしてくれた。

 わざとではなかったのは分かっていたので、勿論すぐに許した。・・・正直謝罪の言葉よりも、ボルキニオスが行った〝アクロバティック後方三回半捻りムーンサルト土下寝〟をもう一度見てみたいと言う気持ちが強いのだが。


《あー・・・。何と言うか、お疲れ様っす》

「おー・・・。疲れた。クロラッシュ、僕なんだかとっても眠いんだ」

《寝れば?》


 俺の甘えの言葉を冗談だと思ったのか、抱きついた俺をクロは言葉でバッサリと斬り捨てた。・・・酷い。

 俺は、抱きついていた体を離すと、クロの毛に逆らって撫でた。


 ゾワゾワッ


《何するんスかっ!?》

「んー・・・。嫌がらせ?」

《何なんっスか、それ・・・》


 俺がにっこりと笑って告げると、クロは肩を落とすのだった。

 ・・・さて、クロをいじって遊ぶのはこれぐらいにして、『戦神の加護』の確認をするか。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

『戦神ボルキニオスの加護』

効果:身体能力を大幅に強化する。集団戦の時において、攻撃と指揮能力に補正がかかる。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「・・・正に戦神の加護、だな」


 加護の効果を見て、俺はそう呟いたのだった。

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