第六話 戦神の加護
連続投稿ラスト!
「・・・と、また話が逸れちまったな」
ボルキニオスが頭をガリガリと掻きながら言った。
俺達も、ボルキニオスの言葉を聞き、「あー」と話がズレて行っていたのを思い出した。
「それで・・・何だっけ?」
ボルキニオスが首を傾げてそう言ったため、俺たち一人と二柱はガクッと肩を落とした。
「いや、俺達がジェヴォーダンを封印したのが如何の斯うのって」
「あーそうだった!そうだった!」
俺の言葉を聞き思い出したのか、ボルキニオスは手を打ち合わせた。
「その戦いっぷりがよぉ、凄かったから俺も加護を与えようと思ってな」
「・・・マジっすか?」
「おうとも、本気と書いてマジだぜ!」
どこか、チャラ男っぽい言い回しをしながら、ボルキニオスが俺の額に指を押し当てた。・・・って!?
「痛い痛い痛い!?!?指圧が!指圧が凄い!?」
「あ、悪りぃ」
パッとボルキニオスが指を話した後、俺は額に手を重ねて悶絶しながら、暫く転がりまわったのだった。
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「疲れた・・・」
あの後、ボルキニオスは誠心誠意の〝アクロバティック後方三回半捻りムーンサルト土下寝〟をしてくれた。
わざとではなかったのは分かっていたので、勿論すぐに許した。・・・正直謝罪の言葉よりも、ボルキニオスが行った〝アクロバティック後方三回半捻りムーンサルト土下寝〟をもう一度見てみたいと言う気持ちが強いのだが。
《あー・・・。何と言うか、お疲れ様っす》
「おー・・・。疲れた。クロラッシュ、僕なんだかとっても眠いんだ」
《寝れば?》
俺の甘えの言葉を冗談だと思ったのか、抱きついた俺をクロは言葉でバッサリと斬り捨てた。・・・酷い。
俺は、抱きついていた体を離すと、クロの毛に逆らって撫でた。
ゾワゾワッ
《何するんスかっ!?》
「んー・・・。嫌がらせ?」
《何なんっスか、それ・・・》
俺がにっこりと笑って告げると、クロは肩を落とすのだった。
・・・さて、クロをいじって遊ぶのはこれぐらいにして、『戦神の加護』の確認をするか。
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『戦神ボルキニオスの加護』
効果:身体能力を大幅に強化する。集団戦の時において、攻撃と指揮能力に補正がかかる。
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「・・・正に戦神の加護、だな」
加護の効果を見て、俺はそう呟いたのだった。




