第一話 王都よ、私は帰ってきた!
ジェヴォーダンを封印する最中、レティシアが魔王へと覚醒した。
ジェヴォーダン封印のためには仕方がなかったが、バレたら確実にヤバいので、レティシア魔王化は当人であるレティシアと、俺、そしてクロを始めとする俺の使い魔だけの秘密にする事にした。
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「しっかし、災厄の魔物を封印するなんて、流石は悪魔殺しの英雄様だな」
「けど、その悪魔殺しの英雄と一緒に災厄の魔物と戦った僕達も英雄の一員になるのかな?」
「マジか!?」
野外学習が終わり、馬車に揺られながら俺たちは学院へと戻っていた。
ジェヴォーダンは、偶然通りがかった高ランク冒険者が封印した。と嘘をついた。流石に悪魔殺しをした俺が居たとしても、たった子供5人だけで「僕達が災厄の魔物を封じました!」と言っても信用はされないだろうという判断からだ。
しかし……
「……なんか久しぶりな感じがするなぁ」
「確かに。最終日にどでかいハプニングがあったからね」
俺の呟きにレイナが笑いながら答えた。そして同じ馬車に乗っていたみんなも深く頷いて賛同していた。
「……な、なぁ」
「ん?何?」
不意に口を開いたグレンにレイナが首を傾げた。
「学院に戻ってもまた、俺とブルームと一緒に遊んだりしてくれないか?」
「勿論!友達だからね!」
グレンの申し出にレイナはサムズアップしながら笑顔で答えた。グレンはそれに顔を明るくして俺を見た。
「……いつ友達になりましたっけ?」
「「「えっ!?」」」
「冗談ですよ。私も貴方達二人の事は友達だと思っていますから」
俺の冗談に、グレンとレイナは声を揃えて「驚かすな!」と怒ってきた。しかし、ブルームよ。「……エリシアさんも冗談言うんだ」って失礼じゃないか?俺だって冗談言うぞ?
と、そこへ、
「もうすぐ王都に着きますよ?」
と、先生の声が聞こえてきた。俺たちは降りる準備を始めるのだった。
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「王都よ!私は帰って来た!」
馬車を降りた直後、レイナが何処かの悪夢さんみたいな事を高らかに言った。
「何してるんだレイナは?」
「さぁ?」
馬車からみんなの荷物を降ろしていたグレンは一緒に降ろしていたブルームと一緒にレイナの奇行に首を傾げていた。
「貴族様の考える事はやっぱりよく分からないな」
「安心してください。私もレイナ様の考えはあまり分かりませんから」
考える事をやめたグレンに俺は慰めるようにそう言うのだった。
また新しい章の開幕です。




