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第十八話 野営の番は誰がする?

料理が終わる頃にはもう既に夜の帳は降りきり、あたりは暗闇に閉ざされていた。灯りはそれぞれの班が焚いた焚き火と、空の星と月の光だけだ。


「ふぃ〜。やっぱり、エリシア様の料理は美味しいな!」

「そう言うグレンは包丁の使い方が駄目駄目だったねぇ。剣は上手なのに」


夜御飯を沢山食べ、満足気に膨れた腹をさするグレンにニヤニヤと令嬢らしからぬ顔でレイナは茶々を入れた。レイナは貴族、平民関わらずに平等に接するうえに、よくお忍びをしたりする為、平民貴族共に親しい人物が多い。グレンとブルームの2人ともいつのまにか親しくなっていた。


「あの、晩御飯を食べ終わったのなら、夜の番をどの順番でするかを話し合いましょう」


グレンとレイナがやいやいと言い合っていると、ブルームが手を上げながらそう発言した。


「あ、それは大丈夫ですよ。ほら、クロ」

《んあ?どうしたっスか?》


ハグハグと肉を齧っていたクロに呼びかけると、クロは首を上げて、そのまま傾げた。


「クロ、夜の番を頼めるか?」

《了解っス!お任せあれ!》


俺のお願いにクロはムフンと胸を張って答えた。


「・・・と、まぁクロに番を頼みますので、大丈夫だと思いますよ。それに、ここには先生方が居ますし」

「・・・エリシアって本当に便利だよね」

「人を便利道具みたく言わないでください・・・」


俺はレイナの言い草に溜息を吐きつつ、そう零すのだった。





◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆





夜の番についてもクロに任せるということで決まり、俺達は男女で別れてテントに入り、それぞれ寛いでいた。


その時突然、レイナが元気よく立ち上がり、腕を上に上げながら声高々に宣言した。


「んじゃ、女子トークを始めよう!」


ドンッ!


「煩いぞ!」

「「「すいません!先生!」」」


まぁ、すぐに先生にテント越しに注意されるのだったが。

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― 新着の感想 ―
[一言] 女子トーク・・・其の内容は恋バナから男子が聞くに堪えない位生々しい会話迄展開する。 其れを防音性の皆無なテントで展開すると・・・。Σ(・□・;)
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