第十五話 昼食はまだまだ続く
「うまっ!?何これうまっ!?」
「本当だ!とっても美味しい!」
グレンとブルームは、そう言ってどんどんバクバク食べていった。
「本当にエリシアは何でも出来るね」
「何でもは出来ませんよ。出来ることしか出来ません」
俺はレイナの言葉に謙遜すると、レイナは「いや、その出来ることが多過ぎるんだよ・・・」と呆れた。むぅ、失礼な。
「けど、この様子だと足り無さそうですね」
「ん〜・・・そうかも」
ものすごい勢いで食べるグレンとブルームの男子二人を苦笑気味に見つめるレティシアの呟きに、レイナも同じく苦笑しながら返した。
「鳥では無いですが、肉はまだありますよ?」
「本当か!」「本当ですか!?」
俺の言葉に反応した二人は、食い気味に聞き返して来た。・・・本当に元気だな。こいつら。
俺は『無限収納』からジャイアントボアというホグジラの様な・・・てか、まんまホグジラの魔物の肉を取り出した。
「その肉は?」
「臨時休校中に行ったアルゲート伯爵領にある森で狩ったジャイアントボアという魔物の肉です」
「へぇ〜」
俺はジャイアントボアの肉を片手にレイナとのほほんと会話を楽しんだ。
「・・・確かジャイアントボアってDランク生物じゃなかったか?エリシア様はあれを一人で狩ったのかよ」
「・・・まぁ、グレイウルフを余裕で倒してるから今更だと思うけど」
「・・・まぁ、エリシア様は超強いって事でいいか」
「そうだね」
側で聞いていたグレンとブルームの会話も聞こえていたが、もちろん無視だ無視。
俺は、レイナとの会話を切り上げると、ジャイアントボアの肉もオムロ鳥と同じ様にタレを塗り付けて火で炙った。
「・・・レティシアはまだ食べれる?」
「はい、まだ食べられます」
「私もまだ食べるよー!」
俺は肉を炙りながらレティシアに聞いたが、レイナも答えて来た。それに苦笑しながら、俺はどんどん肉を炙っていくのだった。
(これ続けてると、焼き鳥屋さんをやっている気分になってくるな)
俺はそう感じて、つい苦笑を漏らしながら、どんどん肉を焼いていくのだった。
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俺達第五班は、結局昼飯になりそうなものもそこまで見付けられず、取り敢えず野営地に戻る事にしたのだ。
そして、戻った先で見たのは・・・
「・・・なぁ、グレンとブルームと一緒になった女子は、お貴族様だけだったよな?」
「ああ。・・・と言うか第七班の女子はレティシアさんを除いて全員貴族だった筈だ」
笑いながら肉を焼く貴族のお嬢様だった。
俺は同じ第五班のメンバーの男達と、第七班の野営地を見ながら話していた。
「ならさ・・・何でそのお貴族様が肉を捌いて焼いてるんだよ!?そして何故笑いながらそのまま噛り付いてるんだよ!」
「いや、俺にもよく分からねぇ・・・」
俺達は、貴族というものは傲慢だと常識として思っていたが、あの光景を見て、よく分からなくなり、混乱するのだった。
後半は、第五班の方々です。
ホグジラを倒す幼女(12)・・・。よくよく考えたらヤベェww。




