第十二話 グレイウルフを打ち倒せ!
《グルルァ……》
茂みから現れた灰色の狼は唸り声をあげていた。
「なっ!まさかグレイウルフ!?」
「早く緊急連絡用の魔道具を使って先生達を呼ばないと!」
グレンは魔物の出現に、ブルームは恐怖しながら慌て始めた。しかし・・・。
「いや、連絡したとしても、先生達が来るのはかなり時間がかかるでしょう」
「それに、グレイウルフは群れで行動する魔物です。まだ他にもいるはずです」
「ならどうすんだよ!」
冷静に返した俺とレティシアにグレンは噛み付いてきた。
「レティシア、グレンとブルームを守ってて」
「畏まりました」
俺がそう言うと、レティシアは即座に反応して、グレンとブルームを背後に庇った。
「『召喚:クロ』」
《呼ばれて飛び出てワワワワーン!!っス!》
俺はクロを召喚した。しかし、クロは何処で色々なネタを拾ってくるのだろうか。
《よーし、やったるっスよ!》
気合十分、クロは力強い雄叫びを上げながらグレイウルフの喉元に噛み付き、喰い千切った。
《グルルァ!》
仲間を殺されたからか、怒り狂った様に更にグレイウルフ達は雄叫びを上げながら襲いかかってきた。
「『ストームエッジ』!」
俺は風の魔法で真空の刃を作り、グレイウルフ達を切り裂いた。
「『アイシクルピアス』!」
「『シャドウバッシュ』」
レイナは氷の魔法でグレイウルフを貫き、レティシアはそちらに向かって行ったグレイウルフ達を影魔法で打ち飛ばした。
「すげぇ・・・」
「強い・・・」
グレンとブルームの呆然とした声が聞こえてきた。
《グルルルルルァ!!》
クロは咆哮と共に影魔法の『ブラックブラスト』を放ち、グレイウルフ達を吹き飛ばした。
そして、俺達は意外とあっさりと、グレイウルフの群れを壊滅させたのだった。
ピロリン!スキル『気配察知』を取得しました。
ピロリン!LVが上がりました。




