表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
がーるすぺしゃる  作者: oga
ラストバトル
65/69

空中分解

 ガールの体は制御が効かない程、空中で激しく回転していた。

さっきの衝撃波で、りゅーすけ君の背に乗っていた3人は吹き飛ばされてしまった。

辺りは暗く、赤いドラゴンが点々と見えるが、それ以外は見えない。

すると、その内の一匹の竜が、こちらに猛然と迫ってくる。


(……敵! いや、救援!?)


 ガールは、ヤッシーアイランドから飛び立った6匹の黒い竜の他に、もう1匹、赤い竜がいたことを思い出した。

ガールは、もしかしたらその竜が助けに来てくれたのでは、と手を振った。


「おーいっ」


 赤い竜が迫る。

そして、乗り手がこちらを一瞥した。


「……」


「……あ」


 その乗り手は、ゼルダであった。

ゼルダは、赤い竜に跨がり、一瞬、こちらに視線を寄越したが、すぐにまた前を向き、ガールとすれ違う形で水蒸気爆発で出来た穴へと向かって行った。


(そんな……)


 自分の弟子を殺したと勘違いされていたガールを、ゼルダはガン無視した。

いよいよ万事休すか、そう思われた時、今度は近くから声がした。


「ここよっ!」


「ヨシコ!」


 ヨシコがすぐ近くにいる。

そして、暗闇から手が伸びると、ガールの体をキャッチした。


「はあ、良かったわ、死に際にアンタの顔が見れて」


「何言ってるの、ヨシコ。 まだ、私たち死ねないよ!」


 本当は、ゼルダに見捨てられた瞬間、ガールは諦めていた。

しかし、ヨシコの声がし、その顔を見た瞬間、また力が沸いてきた。

ガールは魔力を使い、本来ならエネルギーの充電に使うパラソル・ヘッドを手から出現させた。

それをヨシコに手渡す。


「……だ、大丈夫?」


「ヨシコ、早く!」


 地面に叩きつけられる前に、ヨシコは杖にそのヘッドを付け、その場で開いた。

パラソルにはソーラー電池が貼り付けられ、太陽光をエネルギーに変換するが、今は夜で、役には立たないとヨシコらは思っていた。

落下速度が瞬く間に緩やかになる。


「……一番役に立ったわね」


「ねぇ、チカさんは?」


「チカなら、サイコキネシスがあるでしょ。 地面に叩きつけられる瞬間、力を使えば平気だと思う。 マァムおばさんも、ギリギリ躱してたの見たわ」


「はぁ~、良かったぁ……」


 パラソルでゆっくり地面に降り立つと、急いで城内を目指す。

降り立った場所は偶然にも城の正門の前で、既に扉は焼け落ち、中へと容易に入ることが出来た。

そして、城内にはゼルダが背を向けて立っており、その肩にはウサギのテリー。 

傍らには、正門を焼き払ったと思われる赤いドラゴンがいた。

ゼルダは、ガールとヨシコの気配を察知すると、こちらに剣を抜いて向き直った。


「……べんどりぐぜん、じじおをじまずずるばえに、おばえをじまずぜねばなるばい」


「ゼルダお爺ちゃん、それは誤解なの……」


「ええい、だばれっ」


「師匠、本当だ」


 その声を聞き、その場にいた全員が振り向いた。

城の入り口からゆっくりと、誰かが歩いてくる。

黒い短髪に、筋肉質でスリムな体型。

顔は若干青白かったが、その顔はみな見覚えがあった。

ガールが思わず叫んだ。


「カボ!」


 カボは、この城の庭に埋められていた自分の死体を見つけ、手に入れていた。

本体は相変わらず剣であるが。


「カボよ、どういうごどが、ぜづべいじでぐれ」


 ゼルダは潰れたような喉を鳴らして、カボに聞いた。

カボは、事の顛末を洗いざらい説明した。

仲間を巻き込んでテロ行為に走ったこと、ガールは自分らを助けようとしてくれていたこと。


「そーゆーことだからよ。 こいつは関係ねぇんだ」


「……」


「お爺、ちゃん?」


 ゼルダは、ふぅ…… と何か寂しげな目で空を見上げ、こう言った。


「……もう、いい。 もうじぎ、おばる」


 ゼルダは、正面に向き直ると、瓦礫が崩れ、進めなくなってしまった通路へと歩み寄った。


「でりー」


「分かっています」


 テリーは、懐中時計を手にし、時間を巻き戻した。

逆再生の映像の様に、崩れた瓦礫が空いた天井へと立ち上り、塞いでいく。

瓦礫を撤去し終えると、一匹の赤い竜が姿を現した。


「グルアアアアアーーーッ」


 天井に穴を開けたのは、落下してきたドラゴンであった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ