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がーるすぺしゃる  作者: oga
ラストバトル
58/69

タナベ

 ヨシコらがガールを探すため、エルフのじじいの所に行っていた頃、カボの剣はサーターアンダーキでお留守番を食らっていた。


「やべぇぞりゅーちゃん、俺、このまま忘れ去られちまうんじゃねーか?」


 黒竜こと、りゅーすけくんが傍らでグルゥ、と鼻息荒く返事をする。


「つっても、おめぇは後で出番があるわけだし、同じ立場とは言えねー」


 グルゥ…… と眉を八の字にしてカボを哀れむりゅーすけくん。

すると、背後から声がした。


「俺サマなら、お前に出番をやれなくもねぇぜ?」


「……え、誰」


 そこに立っていたのは、左目に黒の眼帯をかけた男。


「お前、確か、この市場で働いてた……」


「タナベだ。 こう見えて俺も、異邦者であり、冒険者だ」


「冒険者ってか、盗賊か山賊にしかみえねーが」


「るせぇぞ剣の分際で。 俺のが見てくれはマシなんだ、てめぇにとやかく言われたくねぇな」


「んだとてめぇ、喧嘩売ってんのか? アア?」


 険悪な空気を察したりゅーすけくんが、二人ともやーめーてー、とオカマ口調で止める。

ちなみに、りゅーすけくんは去勢されている。


「グルー⤴ルー⤵」


「んだよ、りゅーちゃん、きもちわりィな」


 今のでやる気を削がれたカボは、タナベに問いただした。


「……んで、タナベだっけか。 お前なら俺に出番のチャンスをくれるって、マジなのか?」


「ああ、初めからそう言ってんだろ」


 タナベが語り始めた作戦。

それは、これから王の住まうゴーヤシティに向かい、内部に潜入して情報を得、今後の奇襲作戦を有利に展開進める旨のものであった。


「俺サマは野菜をいつもゴーヤシティまで馬車で届けてんだが、肝心の中に入るには身分証が必要になる。 あいにく、俺はこの国出身じゃねーから中には入れねんだ。 だから、検問にこの馬車(・・)ごと引き渡すことになる」


 その説明を聞いて、カボは納得した。


「……俺をその野菜の中に紛れ込ませればいいわけか」


「その通り。 剣が紛れ込んでれば、それを取り除く為に剣に触れることになる。 つーことは、あとは分かるな?」


 その触れた人間の体を乗っ取ってしまえばいい、そういう算段である。


「お前が失敗してもいいように、俺の片割れもお前に付けるぜ」


 タナベは、眼帯の中に手を突っ込み、目玉をえぐり出すと、ポケットから粘土を取り出し、剣の胴に貼り付け、目玉も一緒にくっつけた。


「んだこれ、外せよ、キメェな!」


「第2の視野っつー、俺の魔法だ。 上手く潜入出来れば、この目を通してリアルタイムで中の様子が伺える。 兵隊の数、内部の構造、王の居場所なんかがな」


 こうして、早速準備が進められた。

馬車の荷台にに野菜類を乗せ、その中にカボの剣を忍び込ませる。

しばらく街道を進み、ゴーヤシティの検問まで到着すると、難なく中へと潜入することが出来た。


 

 

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