仲間加入
「すいません、あの、拾って下さい」
「……は?」
ガールが振り向くと、剣が何か喋っている。
「何?」
「あ、そのですね。 このままここに刺さってたら、寂しいかな、なんて」
「……へぇ、意志があるんだ」
ガールが、今まで他人に見せたことないような、冷たい眼差しを剣に向ける。
「ヨシコ、先にイチカさんとニノさんとエドナさんを連れて医者にいって。 私、この剣と話があるから」
「え、何そのキモい剣…… まあ、任せるわ」
イチカがニノの肩を担いで、ヨシコと共に夜の街へと消えた。
ガールが指の骨を鳴らしながら、剣に近づく。
「よくもまぁ、好き勝手やってくれたわよね」
「いやっ、あれは…… メンゴだって~。 ほら、コレで仲直りできたろ?」
「っざけんなっ、ハゲッ」
ペチペチと柄をビンタするガール。
「あっ、うっ……」
「ペチペチ、ペチペチ」
「うっ、あっ、うっ」
こうして、夜が更けた。
手首を無くしたエドナ、腕ごと持ってかれたニノはしばらく入院することとなった。
ニノの看病はイチカがすることとなり、病室にて、ガール、ヨシコはイチカからカフェ店員の証のネームプレートを手渡された、
「しばらく、アナタにこれを預けるわ。 私とニノの分」
「えっ、いいんですか!?」
「マジか~、良かったな、ガール」
みな、ガールの腰にある変な剣に注目する。
「……ガール、アンタ、それ拾ったの?」
「話すと長くなるんだけど…… まあ、ウザかったら売ればいいし?」
「すぐ捨ててらっしゃい! そんな小汚い、汚らわしい剣」
「ひっ、ひっでーな、俺だって心改めたんだよ! ガールにも誓ったしな。 これからはコイツの役に立って、少しでも罪を償うって」
「アンタねぇ、死んだ仲間たちは生き返らないのよ?」
「それを言うなよぉ」
「あ、ちょっと良いですかね?」
イチカが盛り上がってるとこスイマセン、と割って入る。
「とりあえず明日から、タカタコーヒーで働いて貰いたいんですけど……」
ガールが元気よく返事する。
「それは喜んで! 私たち、お金無いし」
こうして、ガール、ヨシコ、剣の3人は翌日からカフェでバイトすることになった。
そんな日がしばらく続き、合間を縫って、エドナの様子を見にガールが病室へと現れた。
ちなみに、病院はカフェの隣にある。
「失礼しまーす」
「あっ、ガール、おはよ」
エドナが半分体を起こし、病室の窓から外を見ている。
「具合、大丈夫?」
「私の方は全然」
「……あの、巻き込んじゃって、本当にごめんなさい」
ガールが頭を下げると、ふふ、とエドナが笑った。
「顔を上げて。 私、嬉しいんです。 今までずっと、杖が友達だったから」
「ボールが友達みたいなアレですか?」
「……? あ、だから、逆にケガして良かったと思うの。 根暗ぼっちじゃ人生つまらないしさ。 ……それに今は、少しわくわくしてる。 アナタ、冒険者なんでしょ?」
「……!」
「アナタが手から剣を取り出すのを見たわ。 ねぇ、一つお願いがあるの」
「何ですか?」
「私に、魔法の使い方、教えて」




