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がーるすぺしゃる  作者: oga
食料庫、サーターアンダーキ
34/69

2対2

 夕方、タカタコーヒーの向かいにある空き家の窓から、店員が2人出てくるのをガールとヨシコは確認した。


「三つ編みのデコっぱちと、短髪のおとこ女」


「えーと、「イチカ」と「モズク」ね。 三つ編みがイチカで、短髪がモズク」


 ガールがコーヒーショップのマスターから貰った名簿リストを読み上げる。


「暗くなる前にやっちゃいましょ。 コレもあるしね」


 コレ、とは、エルダーワンド300である。

ヨシコは、自分も戦うためにエルダーワンドβをロッドショップに預け、レンタルという形でこの杖を手に入れていた。

2人は素早く二手に分かれて、ガールはモズク、イチカを尾行。

ヨシコは路地に隠れて2人を誘い込む役である。


「なあ、イチカ。 帰りマッキーよらね?」


「ごめんなさい、今、ダイエット中で」


「ちぇ~、つれねーな、イチカは」


「にゃ~ん」


 突然、路地の方から猫の鳴きらしき声がする。


「え、猫?」


「ちょっと、行ってみよーぜ」


 モズクが路地へとダッシュする。

待ってよ、とイチカも後を追うと、杖を持ったヨシコがそこにいた。


「んだ、おめー」


 モズクがヨシコにガンを飛ばす。


「にゃ~ん、にゃ~ん。 クスクス」


「ぶっ殺すぞ」


 すると、出口を塞ぐ様にして、ガールが現れた。


「……ネームプレートを渡して下さい」


 ガールが掌から銀の剣を取り出す。

すぐさま、イチカもトンファーを両手から取り出し、モズクも腰に差していたエルダーワンド300を抜いて、構える。


(同じ杖!)


 ヨシコは、モズクの持つ杖を見て、そう思った。

ガールの方も、相手は同じ魔力を武器に変換して戦うタイプだが、トンファー程度の細い鉄なら武器ごと相手を斬る自信があった。


(これなら、多分勝てる!)


 ヨシコも、伊達に今までロープを使ってきた訳ではない。


(相手より早く、鞭を振るえれば……)


 先に動いたのは、ヨシコ。

ヨシコは杖を鞭に変化させ、それを振り上げた。

狙いは、相手の武器を持つ手首。

狙いは正確で、初めて使ったとは思えない程、鞭はうまくしなった。


(決まった!)


 相手の動きを封じて、ガールが2人を瞬殺する、そういう手筈だった。

しかし、鞭の先端を弾かれた。


「……えっ」


 こちらに、モズクではなく、イチカが駆けだしてくる。

ヨシコが鞭を振り上げた瞬間、それを合図にモズク、イチカは入れ替わっていた。

イチカが右のトンファーで鞭を捌くと、そのままヨシコの脇腹に左のトンファーを叩き込む。


「うぐっ……」


 悶絶し、ヨシコは膝をついた。

一方、ガールの方も突然、鞭で体の自由を奪われ、目を白黒させた。

しかも、その鞭は先端がヘビになっており、鞭が首まで絡みついてくると、牙をあてがわれた。


「降参しねーと死ぬぜ?」


「ま、負けましたっ」


 決着は、呆気なくついた。



 

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