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がーるすぺしゃる  作者: oga
第二章 武器庫、セカンドヴィレッジ
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後ろめたい過去

 ガールを連れて宿の裏手まで来ると、ヨシコが周りを気にしながら、話し始めた。


「あなた、忘れてないわよね? 借金の件」


「……うん、分かってるよ」


「なら、話が早いわ。 いい? どさくさに紛れてあの5人を始末するのよ。 やりたくないけど、仕方ないわ」


「……」


「乗り気じゃないのは分かってる。 でも、こんなチャンス、もう二度と巡ってこないわよ。 ファスト・レイクを出てから2日が経った。 あと4日しか期限はないの。 アームレスリング大会がいつやるのかと思ってチラシを見たら、明後日って書いてあった。 カボが事を起こすのがその翌日だから、3日後。 ギリギリ間に合う。 アームレスリングはわざと負ければいいわ」 


「……ヨシコ、昨日、言ってたよね。 借金から逃れる方法は1.まともに返す、2.遺体を5つ集めて引き渡す、3.何とか逃げ切る、の3つだって。 でも、もう一つあったよ」


「何よ?」


「4.みんなと協力して、借金取りを返り討ちにする、だよ」


「はあっ、無理に決まってるでしょ! そもそも、あなたがみんなを納得させるのには、アームレスリング大会に勝たなきゃならないのよ!? 人類最強の女子じゃあるまいし、細腕のあなたには無理よ!」


「でも私、後ろめたい気持ちを引きずって生きるのは嫌だ。 殺してしまった人のこと、ずっと考えて生きるのは嫌なの……」


 思い出さないようにしていたが、借金取りを背後から撃った時に、ある人物のことが過ってしまった。

ゴブリンと誤って斬ってしまった姉、ニキータ。

それ以降、楽しいことがあっても、ガールは心の底から笑えないでいた。


「百歩譲って、借金取りのことはいい。 だけど、あの人たちはいい人よ。 私はあの人たちのことを殺すくらいなら、死んだ方がマシ」


 少し前のヨシコなら、甘えたこと言うんじゃないわよ! と激昂していただろう。

しかし、ヨシコは黙ったまま、何も言わなかった。

数秒後、ようやくこう言った。


「分かったわよ。 何とか方法、考えてみるわ」


「……ありがとう」


 再び部屋へと戻ると、ネギは既に布団をかぶっていたが、スナックが胡座をかいて待っていた。


「あれ、寝ないんですか?」


「ガールちゃん、覚悟があるなら、明日の早朝6時に外で待ってて」


「……特訓、ですか?」


「ふっ、察しがいいわね。 今日のところは早く寝て、明日、私にやる気のあるとこ見せて頂戴」


 そう言うと、スナックは布団の中に入り、いびきを立て始めた。


(もう、心は決まったわ。 アームレスリング大会で、カボに勝つ)


 

 

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