表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
がーるすぺしゃる  作者: oga
第二章 武器庫、セカンドヴィレッジ
23/69

過激な作戦

「ふぅん、アームレスリングか。 面白ぇ。 それで俺を負かすことができたら、お前がリーダーの件、考えてやってもいいぜ。 っし、男子は俺についてこい!」


「えっ、オレ、女の子と……」


「るせぇ、ゴン。 てめーはこっちだ」


「私はどっちに付けばいいのかしらン?」


「キモいから付いてくんな」


 カボ、ナスビ、ゴンの3人は霧の向こうへと消えた。

スナックが腕を組みながら、フンッ、と不機嫌そうにこちらに向き直った。


「ほんっと、失礼しちゃうわね。 でもガールちゃん、アンタなら魔法使ってちょちょいっ、で優勝できちゃうんでしょ? 肉体強化に魔力全振りとかすればさ」


「え、そんなことできるんですか?」


「……いやいや、魔法のことなんて私、全然知らないわよ」


「私も全然知らないんですよね~、ははは」


「ははは、じゃないわよっ!」


「おっ、いたいた。 終わったか?」


 気付くと、チカがガールの後ろの方に立っていた。


「あっ、チカさん!」


「ゴタゴタが片づいたみたいだから、ワシはもう帰るぞ」


「それは構わないんですが、あの、代金とかは……」


「ウサギの魔法使いたい放題って話じゃったな。 ただ、アレは24時間前の自分までしか戻せんらしいからの。 持病の腰痛を治して貰おうと思っとったんじゃが、仕方ない。 お主に「貸し1」じゃな」


「……すいません」


「で、今夜泊まるとこはあるんかい」


 チカが問うと、ネギがすぐに答えた。


「あ、泊まるとこなら私たちの宿に泊まってもらおうかなって」


「なら、ええわい」


 そう言って、チカは自宅のアパートへと帰って行った。

ガール、ヨシコ、ネギ、スナックの4人も、墓地から離れ、自分たちのいつも使っている宿屋へと戻った。

夜はすっかり更け、みな、シャワーを浴びて各自布団を敷き始めた頃だった。

突然、ドアをノックする音がし、開けると、慌てた様子のゴンが現れた。


「……アンタ、一体何しに来たのよ」


 キツイ口調でヨシコが聞くと、ゴンはとにかく中に入れて! と無理矢理押し入った。


「はあっ、はあっ…… 大変だよ。 さっき、カボからとんでもない話、聞かされたんだ」


「とんでもない話?」


「そう。 カボ、近い内にここにつめてる兵隊たちに攻撃を仕掛けるらしいんだ。 そして、それが終わったら、ここにある溶鉱炉を全部火薬で吹き飛ばすって……」


 みなの表情が凍り付く。

恐る恐る、ネギが聞いた。


「ゴン君、それ、本当?」


「……うん。 火薬庫の在処も確認済みって言ってた」


「ゴンちゃん、決行はいつなの?」


「アームレスリング大会の翌日だって。 そこで、自分がリーダーになったら、みんなを巻き込んでやるらしいんだ…… 俺、反対しようとしたんだけど、強く言えなくて」


 スナックがため息を吐いた。


「はあっ、アイツ、日本人のクセに、何でそんな過激なこと思いつくのかしら。 それじゃ、テロリストと同じよね」


「俺、トイレ行くって抜け出してきたから、もう戻らないと…… とにかく、伝えたから」


 そういうと、ゴンは慌ただしく駆け出し、あっという間にいなくなった。


「さぁて、カボの奴を何とかして止めないとね」


「ガール、ちょっといい?」


「……?」 


「2人とも、すぐ戻るから」


 ヨシコが立ち上がると、ガールを外へと連れ出した。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ