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がーるすぺしゃる  作者: oga
第二章 武器庫、セカンドヴィレッジ
22/69

唯一無二の友達

 頭蓋骨を掲げ、投げようとした時だった。

急に足元から伸びてきたロープが絡みつき、スカル・ナイトは引き倒された。

ガールは、一瞬、何が起きたのか分からなかったが、即座に方向転換して背後のスカル・ナイトを両断。

どうにか、全てのモンスターを撃破することが出来た。

バラバラになったスカル・ナイトの足首に絡まったロープが外れ、現れたヨシコの手に収まる。


「……ヨシコさん、助けてくれたの?」


「ヨシコでいいわよ。 水くさいわね」


 目線を少し外して、少し照れ臭そうなヨシコ。


「ありがとう!」


「だから、そういうのはいいって。 あなたは私のガールスペシャルなんだし」


「え? ガール何? ちょっと聞こえなかった。 これ、消さなきゃ」


 チェーンソーが光の粒となって消える。

ヨシコは、ゴニョゴニョと口の中でガールスペシャル、と何回か唱えたが、急に恥ずかしくなって、こう答えた。


「あなたは友達なんだから、助けて当然でしょ」


「……」


(な、何よ…… この間、怖いんだけど……)


 まるで、いい映画を見終わた後のような、ジーン、とした表情でヨシコを見つめるガール。


「……そうだよねっ! ヨシコと私、友達だもんね!」


 いきなりヨシコの手を取って、その場でステップを踏むと、成り行きを見守っていたネギが飛び出してきた。

ゴンが引きつった顔で叫ぶ。


「ネギちゃん、危ないよ!」


 膝に手を突いて、はあはあ息を切らしながら、ネギが2人を見る。


「マジョルカ、心配したよ。 この子、私たちのこと助けてくれたんだね?」


 マジョルカって誰? とガールはもじゃもじゃ頭のネギを見たが、ああ~、と拳を掌に置いた。


「ヨシコ、まだホントの名前教えてなかったの?」


「……うっさいわね。 こいつら、オンラインの仲間だからお互いそういう風に呼んでるだけよ」


「えっ、マジョルカの本名気になる! 良かったら、教えて欲しいな」


「ガールズトークはキリがねぇな」


 突然、響いた男の声。

その主は、カボだった。


「お前、良く生きてたな」


「……うるさいわね」


「ダチの前だと随分強気に出るじゃねーか、マジョルカ」


 ヨシコは心のトラウマから、押しの強い男子と口をきくことができないでいたが、死を克服したことで、並大抵のことには動じなくなっていた。

他のメンバーが合流すると、スナックが言った。


「もしかして、この子が例のガールちゃん? 師匠の話じゃ、この子を探してリーダーにしろって話よね」


 みなが、顔を見合わせる。


「こんなチビが、俺らのリーダー?」


「私でも、大丈夫ですか?」


 遠慮がちに辺りを見回すガール。


「ねぇ、とりあえず宿戻らない? オレ、シャワー浴びたいよ」


「そうだね、向こうで詳しい話、しましょっか」


 賛成~、とゴンの意見にみなが同意し、移動しようとした時だった。

 

「待てよ!」


「……どうしたの、カボ?」


「俺はこいつがリーダーとは認めねぇぜ。 これからは俺が指揮をとる」


「困ったちゃんね~、アンタは。 で、どうしたいのよ」


「魔法云々やってる暇はねぇって話さ。 この街にいる兵隊どもをぶっ倒して、ヘンドリクセン王に宣戦布告する」


「それはまだ早いンじゃないの?」


「だからって、この現状を見過ごす気か? 過剰な武器防具の製造で、この街は煙だらけだ。 肺をやられて死人が後をたたねぇ。 俺は一刻も早く、この現状を何とかしてぇ!」


「……はぁ、だったら、あ、ちょうどいいわ」


 スナックは、風で飛ばされてきた足元の用紙を引っ掴むと、読み上げた。


「アームレスリング大会、これで決めましょう」

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