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がーるすぺしゃる  作者: oga
第二章 武器庫、セカンドヴィレッジ
21/69

ホラー映画かよっ

「あのっ、助けに来ました!」


「わああっ、ジェイソンだっ」


 ゴンが驚いて尻餅を着く。

辺りは霧がかっており、しかも激しく回転する刃の音でガールの声は届かない。


「畜生、なんでジェイソンまでいんだよ!」


 カボが更なる強敵が現れたと勘違いし、地団駄を踏む。

すると、スナック(名前思い出した)が叫んだ。

見てくれは筋肉質な、乙女系男子である。


「ンねぇ、何だか様子、おかしくないかしら? アイツら、仲間割れしてるンじゃない?」


 先刻、真っ二つにされたスカル・ナイトの片割れを見て、どうやら種族間で争いが起こっていると、スナックは推測した。


「なるほどな、そりゃあ都合がいいぜ! アイツらが潰し合うのを待つか」


 カボがガッツポーズをする。

一向に動かない5人を見て、ガールはアレッ、と思った。


(えっ、ちょっと、私一人じゃキツいんだけど……)


 チェーンソーの重量はおよそ20キロ。

少女が振り回すには、かなり重い。

その証拠に、ガールの動きは鈍り、相手も警戒して踏み込んでこない。


「うにゃあ、うにいいいっ」


 左右のスカル・ナイトに挟まれる形となり、ガールは相手を遠ざけるのに必死である。

その時、一匹のスカル・ナイトが仲間の亡骸の頭蓋を手にして、振りかぶった。


「ちょ、まっ……」









 一方、取り残されたヨシコは、その場に立ち尽くしていた。

目からは、拭っても拭っても涙が溢れた。


「くそ…… くそっ……」


 何故、自分には友達が出来ないのだろうか。


(何でよ…… 何で……)


    






 昔から、ヨシコは人と話すのが苦手だった。

気付けば、クラスでは浮いた存在になり、寂しさを紛らわすように、毎日空想を膨らませて遊んでいた。

 そんな孤独な日々が、高校に進学してガラリと変わる。

顔が良く、体の発育も良かった彼女は、男子生徒からしょっちゅう声をかけられていた。


「なあ、一緒に帰らね?」


「あっ、わ、私、ごめんなさいっ」


「……んだよ、アイツ」


 しかし、ここでも口下手が災いし、一ヶ月もすれば、まともな男子から声をかけられることは無くなっていた。

いつの間にか、ヨシコに近づいてくるのは、体目当てのナンパ男のみ。

自暴自棄になりかけていた彼女は、勢いでそんな男性と関係を持ってしまう。

背中に入れ墨をいれた、ヤクザの男であった。 

その男と付き合うことになったが、ある日、無理矢理いかがわしい店で働かされそうになり、ヨシコは抵抗した。

男とは別れたものの、心身に傷を負い、男性恐怖症となる。


(もう、誰も信じられない……)


 外に出れなくなった彼女の唯一の癒しはオンラインゲームであった。

そこで、初めて仲間とも呼べる相手も出来た。

ヨシコは、ネット上の友達とはいえ、嬉しかった。

自分にはまだヒーラーとしての需要がある。


(私、ヒーラーとしてなら、生きていける!)


 そして、こちらの世界へとやって来た。

ところが、オンライン仲間と対面するも、自分に魔力が無いという現実を知り、再びヨシコは打ちのめされた。


(ゲームオーバー、ね)


 そして、なんやかんやあって、何一ついいことの無かった人生に、自分で幕を下ろそうとした。

首にナイフをあてがって、引き切った。

真っ暗な海に落ちていくかのような感覚。


(ダメダメだったな、私の人生…… これで、お、わ、り……」


「ちょっと辛いからって、諦めちゃダメだよ!」


 どこからともなく、声がした。







 


 気が付くと、ヨシコは杖を持って走り出していた。

ガールがチェーンソーを振り回しながら、必死に戦っている姿が目に映った。


(あなたがいれば、私はまだ頑張れる。 あなたは、私の唯一のガールフレンド、ガール・スペシャルよ)

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