エピローグ
むかーしむかし。あるところに、鬼を退治した英雄が住んでいました。
「クッソ……折角パクってきた金銀財宝、気付いたら全部爺さんと婆さんに取られちまった……」
お婆さんはタイへ観光に、お爺さんはお婆さんの荷物持ちに。そしてD24ドリアン太郎は、川で洗濯をしていました。
「まぁまぁ。あの一件以来、村での待遇も若干良くなったことですし」
「つーかドリ太郎さん、あの最後のセリフが一番臭かったっすよね」
すっかり怪我が治った猿と雉。今ではドリアン太郎の、一番の悪友です。
「あーあ! 苦労して手に入れた金は持ち逃げ! 酒は体質上無理! せめて可愛い女の子の一人でも居てくれりゃあなぁ……」
洗濯もほどほど、いつものように盛り上がる一人と二匹。するとそこに、川上から――
「いてもドリ太郎さんじゃ無理ですって……んっ?」
「言ったなコラ! ……あ?」
「ドリアン太郎さん、アレって……」
――どんぶらこ、どんぶらこと、大きな果実が流れてきます。
「アレって……そうっすよね!?」
「間違いありません、あれは『果物の女王』……!」
そう。それはまるで、神様からの贈り物のように……。
「マンゴスチン……!?」
HAPPY END