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白い部屋と女神3


「覚えてないって、何をだよ?」


「い、いや!

そんな事話してる場合じゃないですよ!

血、舐めちゃったじゃないですか‼︎ほら!」

血のついた手のひらと、血を舐めとった後の、よだれの付いた指を見せながら訴えてくる。


俺の顔につくんじゃないか、ってくらい近づけてくるので、途中で腕をつかんで止めた


「そんな事って...お前。

大体、血を舐めたからどうしたんだよ

ただ不味いだけだろ?」


「ち、違います!

あのナイフの血だとすると、

これはあなたの血なんです!

私A型なので混ざると...

し、しん、死んじゃうんですよっ‼︎

ああ...うっ!」

女はうつ伏せに倒れて、首をおさえた


「ナイフの次は血かよ...

てか俺、血液型知らねえぞ」


「あ、あなたはAB型なんです!

だから、私の血と混ざったら...

あっ、ダメだ意識が...」

女はガクッと言いながら身体中の力を抜いていた


ほ〜、俺AB型なのか

…何でコイツが知ってんだ?

というより、

「人って、血の飲んだら死ぬんだっけ?」



ピピピッ、


ブォンブォンブォン


「うおっ⁉︎」

急に頭の上の輪っかが加速して、超高速で回り出した


「ど、どうした!

ああ、うるせええ!落ち着け、輪っか!」

秋人は頭の上の輪っかを軽く叩く



高速に回転してるにも関わらず、

触れても摩擦によるやけどをしない事に、秋人は気づいていない




データノ送信ヲ完了。


ブー、相手ガ受信ヲ拒否。


再送信。


ブー、相手ガ受信ヲ拒否、マタハ受ケ取レナイ状況ニアル。



ピピッ、ボイスモードへノ移行ヲ確認。




輪っかの回転がピタリと止まり、振動と音にデジタル音が聞こえてきた

ルールールー、ルールールー


「あん?なんだこの音」



ポッ、ガチャ

『あー、あー、もしもしアヴェーゼ様ですか?

こちら【知恵の輪】管理局のマトです」


っ⁉︎


「先程、疑問または質問への解答要請がありました為、それに関する知識をデータとしてお送りしましたところ、どうやらうまくいかなかったみたいで。

そちらで何か問題が発生したと考えて、ご連絡させていただきました』


「輪っかが、喋った...だと...」


『あ、あれ?男性の声がする。

なんでだろう、ゴールドリングに混線なんてあるはずないんだけどなあ。

うーん、ていうことは...え?


えぇぇ!まさかあのアヴェーゼ様が⁉︎

きゃー!やばいやばい!

これはビックニュースだわ‼︎

...あっ

こ、コホン

つ、ついにお相手を見つけたのですね...!

おめでとうございます!!』


輪っかから聞こえる声に、

地面に意気消沈と、寝転がっていた女が反応した


「え?この声マトちゃん?

おめでとうって何?

私まだ誕生日じゃないけど...」


女が体を起こし、頭をペタペタと触り出した


「あれっ⁇リングがない...


な、無くしちゃった?

でもでも、あれって登録した人の意思でしか外せないって言ってたし、そんな事ないよね」


手を頭の上で移動させてみたり、グーパーと手を動かして輪っかを掴もうとしているが、

当然そこに輪っかはなく、空を切っていた


「あ、あれぇ?ないぃ、なんでよぉ...」

頭を抑えながら、目に涙を浮かべる


手についた血が、髪の毛についているが、

ピンク色の髪のおかげでそう目立ってはいなかった



自分の頭の上を指して

「ここにあるぞ」


「えっ...あっ、あったぁ!

よかったぁ...拾ってくれたんですね!

ありがとうございます!」


女が立ち、秋人の頭の上にある

輪っかを取るために手を伸ばす


俺はそれを避けた


「もう俺んだから、やんねーよ」


「えっ?あははっ秋人さんはご冗談がお上手ですね〜」


もう一度伸びてきた手をまた避けた


「え?...あっなるほどぉ、そういう事ですか

もう、何をしたら返してくれるんですか?」

女は見返りを求めてると勘違いしたのか、ちょっと困った顔で聞いてくる


「はは、返さねーって」


「あははっ、ははっ、...え?

あの?冗談ですよね?」


『えーっとぉ...何ですかね、この雰囲気。

とりあえず要請のあったのを話しちゃいますね、

血を少し飲むくらいなら体に影響はありません。つまり死にませんよ!』


「あのっ、それだけはダメなんです!

他の物ならあげますから‼︎」


『あれ?もしもしー?』


「じゃあその翼くれよ、それとなら交換していいぜ」


「これは物じゃないですよ!

あげれませんっ!」


『...それでは!またのご利用をお待ちしておりまーす!』


プツンッ


「あー!切れちゃったじゃないですか!

ごめんなさいマトちゃん

今度ケーキ奢るから許してね...」


頭の上で輪っかが動き出し、またフォンフォンと音立てて回り出した


それを見て女は肩を落とすが

すぐに秋人の方を向き、むうっ!と頬を膨らませた


「なんだよ、文句あんのか?」


「ありありですよ!

はぁ...でも後でいいです。

まだ自己紹介もしてませんしね」


そういうと少し離れ

目を閉じて、胸の前で手を組んだ


「ちょっと眩しいですよ〜、はッ!」


声を上げるのと同時に

女の胸の前に光の球が現れて、膨張し。

目を閉じて、手で顔を覆うとした時には

世界は光に包まれていた

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