悪役令嬢は美味しい職業です。いろんな意味で。
書いてみました。悪役令嬢もの。
心の広いなんでも許せる方向けです。
ただのギャグです!
「私は婚約者、ラナ・シルフィードとの婚約を破棄する!」
それは夜の晩餐会の初めに、私の婚約者である金髪碧眼王道王子のカイン王子が発言した。
視線は悪役よろしく、銀髪できつめの目元をしている令嬢の私に集中する。
「なっ…なぜ…」
「クラスメイトである男爵の令嬢、フェロンへの数々へのいじめ…知らなかったとは言わせない。証拠もちゃんとある。」
ピンクのウェーブヘアが可愛いフェロンはカイン王子に寄り添い、涙目になっている。
完全ヒロイン仕様だ。
…まじか。裏切り??
「フェロンさん…私、あなたのことはお友達だと思っていたのに…
どうして……!」
嘘じゃない。
私とフェロンはクラスで席はとなり。
ある理由から、と~~~~~っても仲良しのお友達なのだ。
「ラナ……私貴女のこと
……いえ、貴女の言うことにどうしても納得がいかないのよ。」
王子はウムウムと頷いている。
「ゼファー×カイン王子じゃない!
ゼファーは受!
カイン王子が攻でしょおがあぁあ!!!!」
くあっとフェロンの顔が女子ならずの表情になる。
あっ、あそこでズッこけてるのがゼファーです。
黒髪長髪の騎士で、王子の護衛。
「ふっ…フェロン、相変わらず身分差の心得をわかってないわね…
カイン王子は受けよ!
いままで婚約者だった私が断言するわ!
お髪を直してあげて耳の後ろを触れたとき、小さくお声を漏らされて私は確信したの!!
そう……下剋上!!下剋上こそ最大の愛の形よ!!!」
言い切った。言い切ってやった。
私が婚約者をやってた理由なんてひとつしかない。
美味しいからだ。いろいろと。
主に腐的な意味で。
「私達……相容れないのね」
「そうね……仲のいいお友達だったのに…残念だわ。
それで?フェロンが今度は婚約者になりますの?
私は教会にいって世俗とは離れますので、どうぞご自由に。
ああ、フェロン、一言言わせていただくわ。
貴女が婚約者になって、やっぱり逆だと思ったら…
良いネタ、よろしくねッ!!」
「いや…きみらが婚約者とか、俺がやだわ。」
ポツリと漏らすカイン王子。
しかし、彼は知らなかった。
現実の王子や子爵、その護衛をも巻き込んだ
『妄想、夜の貴族達』という、
もちろん私、ラナ作の小説が大変好評で、貴族の女性はほぼ腐女子化していることに……。