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「Невероятно! Это и есть драка!? Настоящая, что ли!?

(すごいわ!これが喧嘩なの!?ガチンコなの!?)」


一触即発の二人を前に、少女は何故か目を輝かせている。


「は?何言ってんだよウゼェな。日本に来たなら日本語喋りやがれ」

「ふむ、君はロシア語の学が無いんだね?」


晴臣の言葉に、亮太のこめかみに青筋が浮く。

“学がある方が珍しいに決まってんだろうが”と言わんばかりだ。




「そんな君のために、すごいアイテムを用意したんだ! テッテレー! 翻訳アプリ〜!!」


宣言と同時に、晴臣が俊敏な動きで亮太のスマホを奪い去った。


「おいコラ何してんだテメェ」

「すっごいね、スマホの画面がバッキバキだ!」

「うるせえ、使えるから問題ねぇんだよ。それよりさっさと返せ、このドロボウが」

「せっかちだなぁ。もう返すよ。やるべきことは終わったから」

「あ?何言って……」


亮太が受け取ったスマホを見ると、見覚えのないアプリが追加されていた。

《翻訳コンヤク》……権利的にギリギリな名前だ。


「これは私が独自開発したアプリでね。相手の声を読み取って即日本語に翻訳するスグレモノさ! まだ開発中だけど、いずれは犬猫の会話も……」

「そうか、要らねえ」

「ちょっと! 即消そうとするのはやめてくれないかな!?」


亮太は迷いなくアプリを削除しようとしたが、誤操作で起動させてしまう。すると……




『喧嘩なんて初めて見るわ……! 《大阪カンベンジャーズ》? 《オープン》? それとも《ろくでないハピネス》!?』


少女のロシア語が、瞬時に奇妙な日本語へと変換されていく。性能はやたら良い。いや、ご都合が過ぎる。


『わたし、日本の不良漫画が大好きなの! 喧嘩なの!? 喧嘩するの!?』

「おいロシア女、それ以上喋るな。消されてえのか?」

「んん? もしかして君は男女平等タイプの不良かい? 女の子殴っちゃうタイプなのかい?」


左右から異常者と外国少女に挟まれ、亮太の怒りはもはや頂点へ。

クラスメイトは震えながら、死刑執行を見守るような気分で成り行きを見つめていた。




「はい!みなさん、そこまで!」


パンパン、と手を叩きながら担任が教室へ入ってくる。騒ぎの中心に向かって迷わず歩み寄るあたり、根性があるのか単に無知なのか。


「チッ……テメェら、命拾いしたな」

「うっわあ! その台詞、漫画以外で使う人いるんだね!」

「ウゼェ!!殺すぞ!!」

「佐藤くん!高本くん!静かにしなさい!留学生の前ですよ!」


新任教師・高橋。

彼女は“学園一の問題児”と“学園一の変人”の凶悪コンビが同じクラスにいるなど露ほども知らず、堂々と雷を落とす。


クラスメイトたちは頭を抱えた。

このクラス……やっぱり本気でヤバい。




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