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おむすびポトン。

作者: 安野雲

むかしむかし、ある山のふもとの新興住宅地に、おじいさんが住んでいました。おじいさんは毎日まじめに会社員として市場を耕して暮らしていました。


ある日、おじいさんはお昼ごはんにと、おばあさんが作ってくれたおむすびを持って取引先へ出かけました。仕事の移動のあいまに、公園のベンチに腰かけて、おむすびを取り出しました。


すると、手をすべらせてしまい、おむすびがころころと転がりはじめました。


「おっとっと、こりゃいかん!」


おじいさんは慌てて追いかけましたが、おむすびはころころころころ、坂を下っていき、側溝にぽとんと落ちてしまいました。



おじいさんが家に帰ると、おばあさんはびっくり。


「せっかく作ったのにもったいない。」


こうして、おじいさんは叱られたのでした。



側溝には正直すぎて職を失ったおじいさんが住んでいました。


「おむすびぽとん、ありがたや。」


ふしぎに思ったおじいさんが上を見上げると、しばらく見ていない太陽がまぶしかった。


おじいさんが「いただきます。」と一礼。誰が握ったかわからない、おそらく人妻おむすびを食べました。


世の中は広くて、明るくて、側溝は暗くて、寒くて。でも、胃が満たされたことで楽しい歌や踊りの夢を見ました。


おしまい。

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