4ー2
そして争う国々は一つになり、レグルスは彼女の手で下された。
てっきり処刑されると思っていたが、彼女の側近になった友人曰く、国の数だけいた為政者を牽制するための切り札としての役目が与えられたらしい。
表向きの理由であることは聞くまでもなかった。
ただ与えられた食事を取り、新聞を読み、外を眺めて時間を潰す日々。
空虚なモノクロの世界。
体が朽ちるまで、レグルスはただ過ごす。
それが贖罪であり、役目だからと。
そんなレグルスの日々は、アネッタによってぶち壊された。
元気で、ちょっとおっちょこちょいで、ころころと笑う姿に、心が安らいでしまう自分がいる。
今度はどんな花を飾ってくれるのだろうと。
今度の食事はなんだろうと。
「俺に、そんなことを考える資格なんてないのに...って!?」
いつものように、アネッタの帰りを窓際で待っていたレグルスだったが、気配を感じて飛びのいた。
突如姿を現したカラスは、友人の使い魔だ。
咥えている手紙は、読むまで容赦なくつつかれるので、仕方なく開いてみる。
「な!?」
手紙には、こう書かれていた。
【反乱分子を摘発するから、念のためアネッタちゃんを外に出さないように】