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深淵のcanon  作者: 0.The Fool
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第1章 二幕 卯目と蓮花の日常その1

 堀越産業が倒産してから2日たった今、鯖目コーポレーションから依頼されていた資料が元あった場所に戻ったことを新垣先生から連絡が入り清掃業者として3日後の6時のシフトに入った(監視員の配置の確認などを任されてもいる)。


 そのため資料室やメインサーバー室にはさらなる厳重な監視体制が敷かれた。その監視は野兎事務所が担当することとなった。

 

 元々鯖目コーポレーションと野兎事務所は専属契約を交わしており、警備員にホワイトハッカー、清掃員はてには暗殺の依頼や他社の情報収集をする密偵など、まるで便利屋(フィクサー)のように鯖目コーポレーションは野兎事務所を使っている。実際、野兎事務所はフィクサーとして国に認められた正式な事務所である。


 野兎事務所は各職員が得意とする部署で働かせている。卯目が働いている部署は清掃員、暗殺、密偵の3つを主にこなしている。

 

 他にもできることが多い卯目はサポートとしてよくいろいろな部署を回っており、各部署で卯目が同時にサポートに入ってもらうことがないようスケジュールを決めてある。


 そしてサポートに入った時の給料以外にも、そのサポートをする対価として各部署の力を暗殺や密偵などの情報収集に役立てている。


 そんな卯目ではあるがまだ現役の高校生でありこの春で高校3年になる。だがしかし早生まれな卯目はいまだに17歳。この世界では18が成人年齢であり飲酒や喫煙は16だが選挙権やカードなどを作ることができるのは18といった少し面倒くさいと卯目は思っている。


時計のアラームが鳴る。時刻を確認すると朝の4時丁度使用人の人たちが起きてくるころ合いであり卯目も一緒にその時間に起きている。


卯目「新島さんいつものお願いできますか?」


新島「おはようございます卯目様。お嬢様は今日もぐっすり寝ています。そろそろ5時半を回るころ合いでしょうから、いつものはすでにお嬢様のお部屋にご用意してあります」

 

 昔からこの屋敷で使用人統括である彼女には自身も幼少期のころからお世話になっており、よく蓮花と一緒にお説教をされていたのは懐かしい思い出である。得意技なのか体内時計がとても正確であり電子時計レベルなんだそうな。

 

 話を戻そう。蓮花は昔駄々をこね、長年それを使っているからか、ある物がないと起きれないような体質になっていた。それは蓮の香でありそれもある特定の人物の魔力の込められて作られた蓮の花のお香である。


 察しのいい方は気が付いたであろう。そう、その人物は卯目であり、卯目の灰色の魔力が込められた蓮である。


 さて、卯目が蓮花の部屋に入りお香を立てる。すると瞳孔が動き目を覚ます。寝ぼけているのか体を起こすと卯目の体にしっかりと抱きついた。


蓮花「‥おいて、‥‥行かないで、‥‥‥‥また、一人で全部、」


卯目「‥‥もしお前が昔の約束を記憶の片隅に置いているのなら忘れていいんだ。もう一人でいようとしないから。だから、泣かないでくれ」


 いったい何度目のやり取りだろうか、それすらもう覚えていないほどに卯目は、蓮花を起こすようになってから卯目はずっとこのやり取りを続けている。


しばらく蓮花が静かに泣き始めてから少しした後扉をノックし、入ってきた新島さんが持ってきたのは朝食と目の晴れを抑える魔道具を持って蓮花のそばに近づいてきた。


新島「卯目様。お嬢様は、‥‥いえ封印されている記憶のお嬢様は今のあなたが歩んでいる道をおゆr、」


卯目「いや、何も言わないでくれこれは全部俺のせいだ。俺が幼いとはいえ力を制御できていなかったから記憶を封印するしか方法のなかった俺が力を今のようにコントロールできていれば、‥‥‥オヤジたちは何も言わないがこの選択しかできなかった俺を許してくれるのは誰も、いないから」


新島「‥‥何か用があればすぐお呼びください。近くで待機しております」


 卯目が頷いたのを見た新島が部屋から退出し、登校の準備をする。本来であれば新島が全部やることになっていたが、あの事が起きてからというもの身のお世話をすべて俺がするようになってからもう、10年の時がたっている。

 補足だが、蓮花のお世話をすべて自分がやっているとはいえ自分だけでは手が足らないもの、例えば蓮花の部屋の掃除や消耗品などの買い物に朝昼晩の食事は使用人の方々に手伝ってもらっている。無論仕事をするときなどはほとんどのことを頼んで入るのだが、それを言うのは野暮だろう。

 蓮花の一日の行動をメモしたものをお世話を始めてから3年間それを見ながら頑張ってきた。そのメモに書いてあるものと今の蓮花の一日を含めたものがこれだ。


一日のメモ

・06:00

 香がたかれ目を覚ます。その後、シャワーを浴び卯目に体を拭いてもらい制服を着る。

・07:00

 卯目や家族と朝食をとる。朝食後は卯目が荷物などを確認し卯目の車で登校する。

・12:30

 お昼休憩になり学校横にある庭園のベンチで昼食をとる。

・16:40

 ガーデニング部の当番のある日はそのお手伝いをする。無ければそのまま帰宅。

・18:30

 夕飯を食べたのち少しした後、一緒にお風呂に入りその他身支度を整え蓮花が寝るまでの間隣にいる。

・21:30

 武器の手入れや新垣さんとの訓練

・00:00

 就寝


 といった感じのことを毎日している。


新島「お嬢様、車の準備が整ったようです」


蓮花「うんわかったすぐ行くからいつでも行けるようにしておいて」


卯目「いつもの杖を持ったか?他に必要なものはちゃんと確認したか?」


蓮花「相変わらず心配性だねぇダイジョブだよ」


蓮花がそういい胸を張ると玄関口で達也が手に何かを持って近づいてきた。


達也「じゃあ聞くが、今俺が持っている魔石は持ったのか?今日の授業に使うと言って昨日狩ってきただろう」


蓮花「あ、」


卯目「そういや必要だって言ってたな。『無限収納(インベントリ)』蓮花のを参考にするなら、魔石のレベルは4でいいか」


蓮花「卯目の実力ならレベル7でも全然いいでしょ。でもいいなぁ無限収納私も欲しいから作ってよ」


卯目「ダメこれを作るためだけに魔具師の特級免許を取ってるわけじゃないんだ」


蓮花「いやぁ、さすがだよ!稀代の天才魔具師さんは伊達じゃないね!」


卯目「おだてても何もないぞ」


 卯目がそういうと蓮花は口をとがらせて小言を言ってきたが気にすることではないのでそのまま車に乗り学校まで移動した。



 補足だがこの世界の魔石のレベルは1〜20ほどある。後半になればなるほどその魔石の秘める魔力の純度と量。まれにだが、その魔石を持っている魔物のスキルが手に入る。

 


 もちろんレベルが高いほど高位のスキルが宿っているが、スキルの宿った魔石事態が手に入るのはまれであり、レベル1ですら200体倒して1個出ればいい方ともいわれている。


 それをレベル15の魔物でスキルの入った魔石なんてものをオークションに出せば国家予算総統のお金が手に入るのだからレベル20のそれなんて手に入れたらまぁ大変。


 とか何とか言ってはいるがその魔石をオークションに出すかは個人の自由なのである。そもそもそのレベル帯の魔物を倒せる存在は多くない。


 そういうものがその魔石の持つスキルを手に入れれば世界平和につながるだろうと考えレベル15以降のスキル持ちの魔石を手に入れた場合それを国に提出せず自身で使ってもいいと決められている。


 しかしレベル20のスキル持ちの魔石(以降、技能石)を手に入れたのは200年前の英雄だそうだ。


 その魔物の名前は『エンド』龍の中でも最強種の一角、黒龍種と伝えられている。終わりそのものと言われ、エンド自体のユニークスキルなのかエンド自身を中心とした半径1kmに近づいたものすべては何もなかったように消える。


 ただ魔力を馬鹿みたいに食うそうで10mだけでも一秒間に200以上の魔力を持っていかれると伝えられている。


 そこで疑問なのが、エンドはこのユニークスキルを常時1kmで使っていたのだ.。普通であれば魔力枯渇を起こし死に至るはずのスキルをどうやって使っていたのか、それはいまだに考察の域を出ていない。有力なものといえば竜脈を自身につなげていたという考えなのだが竜脈も無限ではないためこの説も否定されていった。


 結局エンドのほかのスキルに魔力の消費を抑えるものか魔力版の超回復があるのではないかと言われている。


 ほかにもレベル20の技能石が歴史上なかったわけではない。そもそもレベル20の魔物の強さはおかしいものだらけである。


 しかしレベル20の魔石事態は過去何度か報告が上がっており国が保管しているものや討伐者が自身で持っていたりと様々だ。


 そして卯目はというとレベル”21”の技能石をいくつか使っている。


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