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魔法の首輪をつけた猫 〜現代版長靴をはいた猫〜  作者: 東條 絢
人間になったネコ

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16 さぶろう、もうひとつ決意する

 明け方、いつもの妙な気配を感じて目を覚ますと腹の上に猫が寝ていた。

 赤ちゃん返りでもあるまいに、あの旅行以降、ときどきこうして俺の腹に頬ずりしながら寝るようになってしまった。ベッド下にしつらえてある猫の寝床に移そうとして、思い直して隣に寝かせ、ふうとため息をついた。


「俺のはら触りながら寝るのやめてくんない?」

 とダイレクトにお願いしたこともあるが、そんなことしてないと言い張り、それならばと現行犯で指摘したときは、ムニャムニャと目をこすりながら全く悪びれなかった。

「ほんとだね…気づかなかった…」

「っ…」

 なんとも思われていなければ、もうそれ以上何も言えず、現状に甘んじている。

 夜はちゃんと別々に寝ているのに夜中に移動してくるらしい。何か不具合でもあるのかと問われて何かあるわけではないが、俺の腹はそんなにムチムチしているのか…?

 そういえば、猫のときも昼寝している俺の腹の上で、前脚をふみふみしていたなと思い出す。猫の、しっとりしたツヤツヤの毛並みを撫でたり抱きしめたりしていたことが懐かしくなり、猫の頭を撫でた。まだまだ手に収まるその大きさが意外に気持ちよくて、触りながらそのまま俺は、また寝てしまったようだ。


「さぶろう!朝だよー」

 きっかり7時である。

「おはよう」

 両手両足をううんと伸ばしてベッドから降りると、珍しく猫がベッドに腰を下ろして俺を見ている。

「?どうした」


「今日起きたらさぁ、さぶろう猫を抱きしめて寝てたんだよ?怖い夢でも見ちゃったの?」

「え…」

「起こさないようにそぉっと抜け出そうとしたんだけどさぁ、ぎゅーぎゅーしてくるから困っちゃったよ」

「えぇ…」

 大の大人がそんなことをしたとは思いたくないが、無邪気に言う猫が話を盛っているとも思えず、俺の顔は赤くなった。

「さぶろうは甘えんぼうだねぇ」

「…お前に…言われたくないんだけど…」

 猫は得意気に微笑み、

「いーの、いーの。さぶろうは特別だからねー」

 そう言ってリビングへ消えていった。


「…」



 というわけで、最近の日課に筋トレが追加された。バキバキの腹筋なら、そう触りたくもないだろう。道のりは遠そうだが、腰痛予防も兼ねて少しずつ頑張りたいと思っている。

 とりあえず今のところは、まだ腹の上で寝惚けるのを許してやろう。

 …今に見てろよ。



閑話休題的に。

次からは少しお話しを進めていきます

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