表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔法の首輪をつけた猫 〜現代版長靴をはいた猫〜  作者: 東條 絢
人間になったネコ

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

32/72

7ネコ、さぶろうと風呂に入る

 

「さぶろう、おはよう!」

 毎朝7時きっかりに猫は俺を起こしに来る。顔を洗って居間へ行くと朝ごはんの支度がされている。今日はパンに何ぬるの?と訊かれるのでバターとイチゴジャムと答え、(日によってピーナッツバターだったり、バターだけだったりする)猫がそれを塗っている間に俺は既に淹れてあるコーヒーメーカーのコーヒーをマグカップにうつす。今では豆の量も適量だ。

 一緒にテレビ番組を見ながら朝食を食べるのがこの頃のルーティンだ。極々稀に俺はベランダで食後の一服をすることもある。結局完全な禁煙は無理だった…


 俺が仕事をしている間、猫は甲斐甲斐しく家事をする。洗濯、洗い物、掃除、それぞれにやり方を決めているらしく俺の手助けは不要らしい。さぶろうと声を掛けられるときはベッドシーツのような大きいものを干す時だけだ。

 お昼は大体俺が作る。麺ものが多いが、意識して野菜を入れている。スーパーの野菜コーナーにはカット野菜いうものがあり、惣菜も充実していてインスタント並みにお手軽に一品足せるので助かっている。

 午後も同じように俺は仕事、猫は勉強をする。ひらがなカタカナは覚えてしまったのでもっぱら漢字の書き取りと図書館で借りた本を読んでいる。一度、飽きないのかと聞いたら

「全然!!すっごく面白い!!」

 とのたまった。子供って楽しそうに同じことするよな…と思って自由にさせている。閉じこもってばかりも良くないので散歩に出かけることもある。そういう時は何故か大抵俺から誘うことになっている。俺の集中力の方がいつも先に切れるのだから、仕方ない。

「ネコ、今日はどうする?」

「このページ終わったら付き合ってもいーよ」

「んじゃあ、行くかぁ」

 近場の公園が多いが遠出もする。最近車があればなぁと思うようになった。公共交通機関では行きにくかったり行けない場所に猫を連れて行ってやれたら喜ぶだろう。

 一応大学時代に取った免許は使える…筈だ。しかし乗るならペーパードライバー講習的なものを受けなければならないか?いや、イケるかな?今度レンタカーでも借りて、近場で慣らしても良いかもしれない。



「さぶろう、久しぶりに一緒にお風呂入んない?」

 猫は入浴剤にハマっているらしく毎日浴槽に浸かって日替わりで楽しんでいる。俺は仕事の都合でその残り湯に浸かる時もあるが、シャワーで済ませてしまうことの方が増えた。もう小さな猫を見張りながら風呂に入らなくても良いからだ。


 ちなみに、猫だった時は毎回風呂について来て、風呂の蓋の上であったまっていた。たまにお湯を被ってしまうと、もういいやとばかりに湯船にドボンと浸かり、俺の膝やら肩やらにつかまりながらう身体を伸ばしてゆらゆら揺れていた。その気持ちよさそうな姿にはそれこそキュン死にしそうになったものだ。その後、俺にドライヤーで乾かさせてまでいたのだから本当に変わった猫である…。



「今日のはアワアワになるやつだからね!さぶろうと入ろうと思ってたの」

「ハハッ、こないだ買ったやつか。あっまい匂いするなぁ」

「楽しいでしょ?ネコお風呂好きだな」

 泡をフッフッ飛ばしながら笑顔で言う。しかし、大きくなった分、2人で入るには幾分狭くなった。

「もうシャンプーハットなんか要らないしなぁ…」


 そう言いながら俺は猫の首元を見た。いつもは服で隠れているが、今はしっかりお湯に浸っている猫の首輪。犬神が俺の誕生日にくれた細い革製のやつである。今のネコの首だって随分細いが、猫のときの首ほどじゃない。


 アレ、絶対大きくなってるよな…一体どんな原理なんだ…?本当にお前は何者なんだ…?


 いつでも口には出せるが、猫に戻らないのかとは聞いていない。久しぶりに訪れた、人間のネコとの生活を満喫しているのは俺なのだから。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ