世界の終わりで君と
男1 女1
高校生。仲がいい。
不問1
ラジオのニュースキャスター
♀1 :高校生
♂1 :高校生
クラスメイト。仲はいい。
不問1:ニュースキャスター
〜風の音〜
〜足音〜
〜扉を開ける音〜
女:おはよ。
男:…おはよ。
〜椅子を引く音〜
女:相変わらずくるの早いね。いつから居たの?
男:…さぁ?30分くらいじゃない?癖になってるだけだよ。お前は相変わらず遅すぎ。いつも遅刻ギリギリだろ。
女:間に合ってんだからいいじゃん。そっちこそ、そんな早くから何してたのよ。
男:別に、考え事してた。
女:ふーん、そっか。
女:座んないの?そんな端に立ってたら落っこちるよ。
男:座る。 うわっ、この机汚ったな。
女:ちょっとやめてよ、ホコリたつじゃん。ほら、そっちのヤツのが綺麗っぽいよ。
男:ごめんごめん、あー本当だ、まだマシ。
〜椅子を引く音〜
女:こんな日なのに早く来たんだね。なに?寂しくなっちゃった?
男:ちげーよ。癖だってば。
女:ふーん、どうだか。
男:本当だって。お前こそ、泣いててくるの遅くなったんじゃねぇの?
女:は?違うし、何言ってんの。
男:どうだか。目元、腫れてるけど?
女:えっ、嘘。ちゃんと冷やして…
男:嘘。
女:うっざ。
男:ハイハイ、図星だからって切れなくて良いんでちゅよ。
女:うっわ、マジむかつくんだけど。てか、それ何持ってんの?
男:ああ、これ?ラジオだよ、近くで見つけてさ。
女:使えるの?
男:ダメみたい。
女:ラジオといえばさ、覚えてる?1年の時の修羅場。危うくうちの学校恋愛禁止になりそうだったよね。
男:うわ、思い出させないでくれよ。コッチはマジで大変だったんだぞ。
女:同学年の女子2人とお前が付き合ってたんだっけ?
男:それはマジで誤解だって。2人とも付き合ってないし、好きでもなかったんだから。
女:そのあと片方の彼氏も巻き込んだ大乱闘。見ものだったわ。
男:違うっつってんのに誰も話聞かないんだもん。
女:ラジオの恋愛相談ににお前と付き合ってるって本名も学校名も晒した子どうなったんだっけ。
男:転校してったよ。てか1番の被害者俺じゃね?俺かわいそ過ぎない?
女:ハイハイ、カワイソー
男:棒読み!!もっと心込めて!
女:てか、みんな遅いね。もうHR始まってんじゃん。
男:……そうだな。
女:みんな揃って大遅刻とかあの日以来じゃない?ほら、全校集会のこと担任がウチらのクラスだけ伝え忘れてたさ、
男:ああ、あの伝説の
男女:『1年B組、学校集会ばっくれ事件』! ふふっ、あはははは
女:早帰りだと思ってたから教室の電気は消えてるし、靴箱にも上履きしかないの。担任も帰っちゃってるし。
男:あれ、手の空いてる先生たちが学校中探し回ったらしいぞ。危うく警察にも話が行きそうになったって。
女:ひゃー、まじか。あの後の担任の謝罪会見も面白かった。
男:色んな先生から絞られたんだろうな。疲れ切った顔してた。
女:クラスのみんな笑いそうだったよね。
男:お前机に突っ伏して誤魔化してたけど、肩震えてんのバレバレだったぞ。
女:人の事言えんのか。一番最初に吹き出したヤツお前だろうが。
男:あれは笑わないほうが可笑しいって。
女:クラス中大爆笑の中副担の冷たい目線知ってるか??
男:担任も釣られて笑ってからの副担の機嫌の悪さヤバかったな。「笑い事じゃないんですよ!?」って机バンバンしてさ。
女:まぁあれはぶっちゃけ担任が悪いよね、結局副担もつられて笑ってたけど。
男:俺が最初に吹き出すことで空気を和ませたんだぞ。
女:ワー、スゴーイ
男:俺に対しての扱い雑じゃない?
女:気のせいじゃない?あっ、でも2年の体育祭の時のお前は良かったわ。組は違ったけどさ。
男:だろ?最下位で最後のバトンが来た時は焦ったけど、1人抜き、2人抜き、3人4人抜いて
一位でゴール!あの時の俺は最高にカッコ良かった。
女:あの時史上最高に盛り上がったよね。まぁ私が言ってるのは違う時だけど。
男:じゃあアレか?騎馬戦で残っているのは俺だけ。敵は5騎。四方から伸びてくる手を交わし敵を崩し果敢に闘うも最後の一騎に敗れた俺!
女:あれも凄かったけど、違う。私が言ってるのは私らのチームに僅差で負けてクソぶっさいくな泣き顔してたお前。最高に良かったわ。
男:うわっ、性格わっる。だからモテないんだよ。
女:はー?モテてますー。モッテモテですー。
男:どこが。てか、あれもう実質俺らのチームの勝ちだろ。応援賞も俺らのチームだし。
女:おーおー、負け犬がなんかほざいてますね。
男:うっざ。
女:もう一回やっても私らの勝ちだよ。お前には負けないわ。
男:もう一回やったら俺らの勝ちだしー。負けないしー。
女:言ってろ。青山先生がコッチにいる限り負けないね。
男:他人頼りかよ。てか、青山先生はずるくない?いっつもゆっくりな癖して体育祭だけ本気出しすぎだろ。
女:それな。青山先生いる方が歴代勝ってんでしょ。
男:それはずるいわ。
女:てか私、昨日提出だった佐藤先生の課題やってないわ。絶対怒られるじゃん。お前は?
男:…あー…俺もやってない。
女:使えないな。みんなが来たら見せてもらお。
男:お前、それやってバレたばっかりだろ。
女:違うし。あの時は私が映させてあげたの。
男:あんまり変わんないけど…そういう事にしといてやるよ。
女:本当だってば。私はちゃんとやってたもん。お前、意外と真面目だよね。課題忘れることとかなかったのに珍しいじゃん。
男:あー…まぁね。うっかりしてた。
女:ふーん?あっ、そういえば2年生の文化祭でさ、
男:あー、文化祭…結構散々だったよな。
女:そうそう、改善しなきゃいけない事ありすぎてやばかった。だから今年の文化祭はさ…
男:…うん…
女:……今年の文化祭はさ、去年のこと参考にして良いもの作りたかったな。
男:…そうだな
〜椅子を引く音〜
女:うーん(伸び)、ちょっと話しすぎちゃったね。もう放課後の時間だし帰ろうか。
男:……どこに?
女:…んー、分かんない。
〜ドアを開ける音〜
女:ほら、早くしないと置いてくよ。
男:はいはい。ちょっと待って。
〜足音〜
〜ノイズ〜
ラジオ
########じゅうよ###おち####じんるいの##########です############ふたり#####
##じ##る####いは、####わか####に###たく####ま###た
##うか、######のみら##########よう####。
どうか、#########みらいに####ますよう##。
設定?
あと少しで、人類は滅ぶ運命らしい。避けられない隕石衝突に予知された様々な天災。今の化学力では皆を守るなんて不可能だった。世界の混乱を防ぐため、このことは限られた人物にしか知らされなかった。
人類の滅亡を避けるために、2人の若い男女だけを守ることにした。選び方はランダム。
選ばれたのは、この話の主人公の2人。もちろん2人とも人類滅亡の危機も選ばれたことも知らない。
男
いつも通りに過ごしていた筈だった。ある日朝起きたら、周りは滅茶苦茶だった。ポケットに入っていた手紙から、人類は俺とあいつしか残ってないことを知った。先生も親も友達もいない。どうすれば良いのかは分からなかった。
ひとしきり泣いたり怒ったりした後、なんとなく学校へ行こうと思った。今日は平日だから。授業に遅れないように。
授業なんかあるわけ無いのは分かっていたけど、ほかにどうすれば良いかわからなかった。
朝はなんとか学校とわかる建物に入って過ごし、夕方になると家だったところに帰った。雨が降ったりした日は屋根があるところを探して寝た。
途中で形を残してるラジオを拾った。いじくり回しても何も受信しなかった。
俺と一緒に生き残ったらしいアイツを探しに行きたかったけど、生憎家を知らない。だから、ただ毎日学校へ行った。多分アイツも学校に来るだろうから。
女
いつも通りに過ごしていた筈だった。友達と電話して、テレビを見て、何時もの人形を抱いて寝た。何も変わらない筈だった。朝起きたら、屋根が、壁がなかった。いつも抱いて寝る人形の目にはまっていたボタンが割れて転がっていた。手紙で、人類は私とアイツしか残ってないことを知った。どうすればいいか分からなくて、ただ泣いた。
学校に行かなければと思った。今日は平日だし、なんとなくアイツも学校にいると思ったから。
・男の方が少し早く目覚めた。
・女は事実を認めたくなくて、いつも通り男と雑談しようとする。
・男は女の混乱や気持ちを察して雑談に付き合う。
・ラジオは過去の放送を流している(このシーンは時間軸が少し前になっている)
・男と女がこの後どうするかは想像に任せる
悲しい感じで終わってもいいし、これから頑張るぞー的な感じでもいいと思う