第13話 豪商の契約書
自衛手段ですので以下は気にせず、飛ばしてください。
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今話題の2CHRead無断転載問題、五分で出来るちょっと痛快な自己防衛対策のすゝめっ!
作者:MITT様よりお借りしました。
「ボランティアでなければ貴方はあの幽霊達の訴えを聞いてくださいますか?」
バンダノフ氏が突然、割って入って来た。
「冒険者ギルドを通して頂けるんなら仕事を受けるつスよ」
「死んだ者達の恨みや捻じ曲げられている正義を暴く事を冒険者ギルドが通すとお思いですか」
「そこまで、オレっちにはわっかんないっスね」
無理だと思うけど。だいたいBランク以下の冒険者が個人契約資格も取得および許可を取らずに依頼するとか……そこら辺のルールは知ってるだろうに。ここは、敢えてバカのフリして逃げとこう。
「そうですか」
なんか、今、勝手に期待して勝手に落胆したな。
「報告したら、一旦買い物と寝ぐらへ帰りたいのですが大丈夫っスかね?」
「構いませんが、親方様へはお断りください。そろそろ朝食の準備が整います。今しばらくお待ちください」
冒険者ギルドの出す依頼がキャラバンの護衛が多かったのを鑑みると商人ギルドとの繋がりがあるのだろう。そうなるとマーチャントの教会がバックと繋がってる可能性もある。……ティナ嬢の反応を見るに教会は一枚岩ではない。
邪教退治には、ティナ嬢経由で教会に協力を仰ぐのはアリかもしれない。そうなると証拠が必要か……無理だな。情報足りないし。誰を味方にしようか。それ如何では今後の身の振り方に影響があるな。
などと考えをまとめていると呼び鈴が二回鳴った。どうやら、やっと食事にありつけるらしい。
「では、こちらへどうぞ」
◆
「首尾は如何でしたでしょうか?」
お祈りを済ませた後、さぁ食べるぞとまずは、スプーンにスープを掬ったところで訪ねられる。おっといけない。報告義務を忘れかけていた。シュツルム先輩に食べててと意味を込めて、何か言うのを押し止めのサインを示しながら、問いかけに答える。
「2体居ましたのでターンアンデッドで払ったっス。奥様と思われるゴーストは出て来なかったっスね」
「ふむ、アレは現れなかったと?」
「そうっス。そう言えば、前回聞きそびれてしまっていたんスけど、御子息は聖別された部屋にて守られているんスか?」
「いえ、なに分突然だったので聖水を置いた簡易結界を張ってあるだけなのです。結界が切れる前にシュツルム殿達が引き受けてくださって良かった」
「なるほど。ところで依頼は継続させていただくんスが、一度必要な物の買い物等の為現場を離れてイイスか?」
「律儀な方ですね。ゴーストは昼には出てきませんから大丈夫ですよ」
「いえ、条件さえ揃えば昼だろうと出て来るっス。奥方様のゴーストを退治出来てないんスから、御子息の安全は保証しかねるっス」
「いや、心配には、及びません。乳母も居ますので……そうですね、神官様が居ればここは、特に大丈夫ですよ」
それは、不味いかもしれない。奴隷を創り出すきっかけは映像を見るより前に母から聞いて知っていたが、デコグリフ教会の主張からハーフオークが奴隷じゃない事が不自然と考えるべきで……。教会に何らかの恨みを持っている可能性もある。つまるところ、ティナ嬢は足手まといでありながら、切札足り得るのだ。一瞬シュツルム先輩を見て発言する。
「あ、私一人で事足りるのでそれほど時間はかからないっス」
「それでは、少し調べていただきたい事を追加してもよろしいでしょうか? その分の追加報酬も払います」
「なんスか?」
「実は、妻の遺体の行方を捜しています」
「え?」
シュツルム先輩もティナ嬢もこれには食事の手を止め、目を見開く。既に葬儀は済ませたものと思い込んでいた所為もある。口調も素に戻りかけた。いかんいかん。
「その筋の者に探させてはいたのですが定時連絡を絶って1日が過ぎました。巻き込む形に完全になってしまい申し訳ありませんが引き受けてはいただけないでしょうか」
「葬儀は?」
「私も曲がりなりにも貴族です。教会の手前、妾とは言え奴隷罪の者を貴族が葬儀するのは難しい事です。その上、私は元奴隷の家系だ。その血に見合う多額の寄付をし続ける事で今の地位を維持しています。それを愛しているとは言え息子に残せる資産をなくす行為を選択することはあり得ません」
「話は分かったっス。しかしその筋の方ってのは私よりも手練れなんじゃないっスか? その件は一度用事を済ませた後でもよろしいっスか」
「それでも構いませんよ。妻の遺体に関しては簡易契約書にサインしていただいても?」
「後で読んでからでもイイスか?」
「ええ、先ずは食事を済ませてください」
◆
食事を終え、契約書類を渡され、その書類に目を通す。そして内容に驚かされた。引き受ける冒険者の言い値だと言う。試されてるのか? それほど危険な仕事なのか? 万一を考えれば、シュツルム先輩は外せない依頼だな。手早く用事を済ませ、ティナ嬢の安全確認とシュツルム先輩と入れ替わりで動くしかないかな……ま、それはともかく!
「ブヒボンド卿、ちょっとこの契約、ヤケにこちらに有利に書いてありますが。期限が書いてませんね……」
「おっと、気付かれてしまいましたか」
「シュツルムさんがそんなに欲しいんですか?」
「確かにそちらも魅力的だが、私としてはアリュフ君と専属契約をしておきたいのだがね」
「Fランク冒険者っスよ。ブヒボンド卿にはデメリットしかないように思えますが」
「シュツルム殿とピックアーミーの巣を一網打尽にしたとか街中の噂でしたよ」
「殲滅させたのはシュツルム先輩です。ただオレはついて行っただけっス」
「貴方の出したクエストにシュツルム殿が助っ人でついて行ったとも聞きました」
「でも、殲滅させたのはシュツルム先輩っス。ドブさらい位しか能の無いFランクっスよ。後悔しても知りませんよ」
逃れられそうに無い気がする。この案件には乗っかってはイケなかったようだ。シャシャッてリーダーなどしなければ良かった。いや、してなかったら宗教戦争に率先して参加させられてたか……つまり、随分前から詰んでたな。こりゃ。引き受けるしか無いなら、期限交渉するのみ!
「ご安心を。私には育成メソッドがあります。冒険者のランクなど間違いだらけの評価ですよ。それで判断する浅はかな連中と一緒だとしたら今日の私は奴隷をしてるでしょう」
なん……だと……!? メリットしかない交渉とか初めてなんですけどー!? 落ち着け、考えろ。絶対に向こうのメリットがデメリットになってるハズ。こんな美味しい話に棘がないわけがない。
「わかりました先ずは一ヶ月お試し期間で手を打ちましょう。それとこの件が終わったら、シュツルム先輩とちょっと旅に出ます。それでもよろしいですか?」
ダメだ。穴が見つからない。ただ一点を除いて。しかしそれは早合点過ぎて結論にはならない。従って様子を見るという苦肉の策しか思い浮かばなかった。
「構いません。連絡手段が必要になりますね。こちらで手配します」
「一般の手紙とは違う何かの手段をお持ちなんですか?」
「魔法道具のコム・リモーターです。ワシが魔法使いに造らせました」
魔法道具? 至れり尽くせりだな。なるほど豪商な訳が垣間見えた。
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戦闘系職業について③
大区分:支援
中区分:捕縛士
捕縛を目的とした罠や武器を専門的に天才的な
手腕を持つ者が現れたことに起因する職種。それ
まで双腕武器が人気だった。
彼らがいる事で、狩が安全且つ効率良く稼げて
初心者も育てやすくなり、人気職に。
小区分:
物理捕縛士
レンジャーやシーフの捕縛スキルを好んで
集めた者。ソロでも優秀
魔法捕縛士
メインが魔法による捕縛でちゃんと物理捕縛
も用意している。手数が多く物理より人気。
戦闘職とは区別されるが冒険には欠かせない職業①
大区分:支援
中区分:治療師
小区分:魔法回復術師
魔法由来師
魔法由来の回復術師達を指す。聖デコグリフ
教会との派閥が伺える呼び方でもある。
教会回復術師、又はグリフ・ヒーラー
デコグリフ教会の奇跡を使う回復術師は自ら
をデコグリストと呼ぶ。しかし10年程前から
の人間の新世代の若者達に受け入れ難い呼び方
らしく、グリフ・ヒーラーと改名をしている。
どちらも奇跡由来の回復術。
薬剤師
薬については実しやかな精度なので、魔法薬
頼みが主。解毒と傷薬は得意だが、抗生物質の
精製方法が確立してないので病気には弱い。
液薬、錠剤を扱う。
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