第11話 深淵を覗く覚悟はあるか? 俺は出来れば覗きたくない(笑
自衛手段ですので以下は気にせず、飛ばしてください。
無断転載禁止
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今話題の2CHRead無断転載問題、五分で出来るちょっと痛快な自己防衛対策のすゝめっ!
作者:MITT様よりお借りしました。
「既知情報は返って手順を混乱させやすいっス。お嬢。ターンアンデッドを」
無駄に成金的な意味の悪趣味な彫刻が等間隔で並ぶ長い廊下の真ん中に敷かれた赤いフカフカ絨毯につま先を二回何気ない感じで態度が悪く見える様トントンしながら、ヴァレンティナ嬢に依頼する。
「遂にお嬢と来ましたか。出来れば愛称で呼んでもらえませんか? “彼の者の魂よ、安らかに。ターンアンデッド”」
メッセンジャーの髑髏シーツが光の粒子となって消え逝く。それを見ながらヴァレンティナ嬢の希望を聞いてみる。
「どう呼べばいいっス?」
「え、えとー。例えばですねぇ。ティナ……とかー」
これ、呼ばれた事ないんじゃないかな。この時珍しく虫の知らせと言うか何かが働いて呼ぶべきか呼ばざるべきか……そこはかとなく嫌な予感がした。確信は持てなかったが。それで一瞬、返答が遅れた。
「では、ティナ嬢、後何回分ターンアンデッドは使えますか?」
「ええと、2回ですねー」
「3匹目が出たら、力業で行くしかないと言う事っスね」
ジゼルが何か文字を浮かべ、二人が微妙な空気を醸す。大方さっきの魔法についてツッコミを入れてるのだろう。なんの魔法か知らないけれど、なけなしの金をはたいて買ったマナポーションは、まだ、黙っておこう。
「ヴァレン……」
そう言いかけた時、ヴァレンティナ嬢の顔が豹変する。例えるならば、『シュツルム先輩は呼んでくれたのに、なんで貴方は呼ばないんですか』と顔に書いてある。
「……あ、ハイ。ティナ嬢、ターンアンデッドは温存してくれると嬉しいっス。後、屋敷外で情報を集められないのが必然で、今夜現れるゴーストを退治すれば依頼はおしまいっス」
「たしかに、そうだな」
「でも、誤解を生む発言や悪意は正さなければいけなくないですかー?」
「もっと、対極的にとか、俯瞰的にとか考えられないっスか」
「私達は即席の今夜限りのパーティーであのゴーストの見せる問題を片付けるには余りにもちっぽけだ」
「でもでも! お二人はあれを見過ごせるんですか!」
「何をそんなに怒っているのですか? 教会が奴隷を認め、作り出している事を今知った様な怒り方ですね」
「だって、弱き者の為の教えではないですか!」
「俺が聞いていた教義と少し違うっスね。光の民の敵である悪魔族は何を措いても殲滅すべき敵であるって大分過激な演説をしてたのを幼心に思ったのを覚えてるっス」
次の獲物を見つける為、早々に歩き出す。ジゼルが微弱な振動で教えてくれるから、探索自体は楽だ。
「弱き者から先に悪魔族達は手を掛ける。戦争の混乱の最中団結しなければ生き残れなかったと聞く。その様な状況で生まれた教団だからな。護るべき者があった者が護れた者とそうでない結果の者が居た。もし護れなかった者が身内に居て、その者の子が悪魔族との子宿した場合、どうなったと思う?」
「それは……お、堕胎せばいいと思いますー」
「ティナ嬢の考え方は混血児擁護派のはずなんスけどね。事はそんな単純じゃないっスよ。元が残ってるケースが一番厄介なんスよね」
「アリュフからそんな言葉が出るのは、ちょっと意外でした」
「私も……」
2人に聞こえ辛い様に小さく呟いた。
「演技が功を成してる証拠っスね」
「え?」
トーンを少し上げてしかし抑え気味に言った。
「今夜だけで解決は無理っス。この場の依頼は終わらせて、その他は後に話すっス。監視の目もあるから敵地で行動してると思って無駄口も極力なしっスよ。ok?」
「あ、ああ」
「アリュフさん、なんか最初と印象が違いますねー……」
この返答には、トーンを下げた。
「気の所為っスね。フルで考えて行くっスよ」
「また、『ス』が演技臭いですー。演技? 演技だったんですかー」
「デュオ・アームズ適正のある者は別々のことを同時にこなせる者が多い。アリュフは、普段から実力を軽く見られる様だが教えた事はすぐ覚えて使い熟す」
「先輩……」
貴族に見られない為の振る舞いが実力を下に見させていたらしいが、シュツルム先輩はちゃんと見抜いてくれていた! ちょっと感動した。
「ジゼルの補助の可能性も捨てきれないが」
「先輩、一言多いっス」
「それってズルくないですかー?」
「ジゼルが発現したのは、偶然っス。使用者を選ぶみたいっスから、合成素材を探したらいいっスよ。そしたら、インテリなんたらに武器が進化してくれるっス」
「インテリジェンスウェポンですよ。アリュフ。私も持っていない特別な武器です。奪われてもアリュフ以外使えないので大丈夫でしょうけれどね」
「良いなー。良いなー。私もそう言う装備欲しいですー」
別に意地悪をしているわけじゃなく、本当に発現時期がよく分からないのだ。何せ、発覚がついさっきで発現時期が多分この時だろうで明確では無い。憶測の発現時期より前に合成した素材が原因だと思われると言う事しか言えず、どこで何の素材を拾って来たのか今となっては不明なのだ。投げやりに答えるしかなかった。
「その素材の秘密を教えてくださいよー」
「発覚したのはティナ嬢と知り合うちょっと前で何の素材を合成したのか分からないんですよ」
「けちー」
「見当のつくものはあったとしても……」
「あるのですか!?」
「あるんだー」
「100以上っスよ。パーティーでも組んで地道にやってかないと、無理じゃないスか? それにこのクエストは先輩が受けてその助っ人っス。終わってから話すべきっス」
「変な所で真面目なんだからー」
「誰かに聞かれてるかもしれないと聞いて、よくそんなに秘密にしておきたい他人の話をするっスね。自分の信頼度を考えた方が良いっスよ」
「「あ」」
あじゃねーよ。
「秘密にしたいんだー?」
「要らぬ争いは避けたいと思うのが普通だと考えてまスが、何か?」
「アリュフが切れたー、助けてシュツルム先輩」
「良い加減、幽霊退治に戻りましょう。このままでは、パーティー組めなくなりますよ。ティナ嬢」
「ふぇっ」
居た。やっと次の目標を見つけた。今度の幽霊は何処かしら女性らしさを感じた。それ以外は、相変わらず髑髏にシーツの様な白い外套を纏っている。右前半身に構え後ろに左掌を見せ、制止の合図。右手は左腰のジゼルの柄を握りしめる。
「同じメッセンジャータイプの可能性大だ。どうする?」
「もう一度、近付いて同じ内容ならターンアンデッド。襲い掛かって来るなら、ターンアンデッド。内容確認したら、ターンアンデッドを提案しまーす」
「それは、結局さっきと同じっス。それに控えて欲しいと言ったばかりっス。もし、さっきの続きなら、内容を見ると引き返せないと思った方が良いっスよ」
「どう言う意味ですかー」
「いや、アリュフ。私は覚悟を決めている。内容を確認して構わない」
「私も見たいですー」
「好奇心がこう言う時命取りって知らないんスか」
「どの道既に片脚突っ込んでいる」
「このままドップリ行きましょー」
「ティナ嬢は何処まで判ってるのか判断できかねるっスね。ま、その言葉、忘れないでくださいっス」
苦笑いが勝手に口元に出た。それを見せない様に前を向く。そして、目の前の髑髏シーツの幽霊に近付いた。
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戦闘系職業について①
大区分:前衛
中区分:軽戦士
刃渡りの短いエモノや軽い武器と革鎧等で戦う
者の総称。
小区分:
軽戦士
軽業師
高速戦士
中区分:剣士
剣で戦う者の総称。少ないが刀を使う者もここ
に含む。
小区分:
剣士
双剣士
柄の反対側にも剣が伸びている武器。
★剣聖
あまりに有名な特別称号。
中区分:重戦士
重く、大きく、一撃粉砕のロマン武器を扱う者
達の総称。タンクとも呼ばれ攻撃時以外鈍足の為
に壁役も担う。
小区分:
重戦士
重剣士
重戦槌
盾にもなるほど巨大なハンマー。
この後ギガスシリーズで纏められている。
ギガス・アックス、ギガス・ハルバード等。
偶にタイタンやガルガンチュアが使われる。
スキル:
両腕使い
トゥーハンドとも呼ばれる。どの職種でも発現
する。サブ職を最初から持つようなもので、シン
グルマスターより成長が遅く、下手な伸ばし方を
する者が多い。ゲームの様に攻略方法や成長指南
役が居れば、もっと状況は変わっただろう。
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