スキット1~10
なるべく、時系列順に書いていこうとは思いますが 途中でバラバラになるかもしれません。
何でも許せる方推奨です。
今回、無理やり進めたところあります。
細かいところは気にしないでね!
本当に、何でも許せる方推奨です。
※表記方法
永野 文香→文
東条 昴→昴
藤野 紗綾→紗
松井 輝→輝
表記無し→モブ
-スキット-
1
文M「春。入学式を終えて、少しずつ学校にも慣れた頃。」
文M「おはようございます。永野 文香です。みなさんは、『性同一性障害』というのをご存知でしょうか?」
文M「『性同一性障害』というのは、身体的な性と自分が意識する性との間にズレが生じている状態のことを指します。」
文M「実は、私もそれなのです。本当は男です。でも、これ・・・女子制服のほうが落ち着くのです。」
文M「まだ、理解は浅いけど、これでも何とか生活しています。」
文M「さぁ、今日も始まる。」
文「あ、ちょっとゆっくり歩きすぎた・・・急ごう・・・」
2
「きゃあああ!!(女子の黄色い声)」
文「!?(びっくりした・・・な、何・・・?)」
「あ、あいつか?例の転校生って・・・」
「うっそ!イケメン・・・」
「白い髪に赤い目って・・・なんか素敵・・・」
文「すごい・・・綺麗な人・・・」
昴「・・・(文香をちらっと見る)」
文「?(目が合った)」
昴「・・・『さや』?(小声でぼそっと)」
文「・・・?(何か言っていた気がするけど分からない様子)」
文「何だったん・・・だろう・・・?」
3
昴「(やっぱり、あの子が気になる・・・黒い髪の・・・青い目の・・・)」
昴「輝!いるか?」
輝「うおっ!?あ、あぁ・・・昴兄・・・びっくりしたぁー・・・」
昴「あ、あぁ・・・悪い・・・」
輝「んで?どうしたの?昴兄」
昴「あ、あぁ・・・輝・・・黒い髪の青い目をした女の子を見なかったか?知らないか?」
輝「え、えぇ・・・?いや・・・俺は・・・知らねぇけど・・・」
昴「そうか・・・ありがとう。また見かけたら、頼んでもいいか?」
輝「もちろんだって!俺にできることならするから!!」
昴「あぁ・・・ありがとう」
4
文「(あの人・・・綺麗だったなぁ・・・白い髪に・・・赤い目の・・・)」
文「(すごい・・・人だかりだった・・・)」
文「・・・人だかり・・・」
-回想-
「ほら、あの子 男の子がワンピース・・・」
「あらやだ・・・気持ち悪い・・・」
「お前、男のくせにスカートかよ!!」
「変態!」
文(小3~4)「ちが・・・違う・・・」
「ほら、脱げよ!脱ーげ!脱ーげ!」
・・・
文「・・・っっ!!」
文「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・」
文「(まただ・・・怖い・・・)」
5
文「失礼します。部長・・・いらっしゃいますか?」
「ん?あ、文香ちゃん。どうしたの?」
昴「(あ・・・資料集、ロッカーだ。取りに行かないと・・・)・・・な!?」
昴「(黒い髪、青い目・・・この子だ・・・)」
文「わかりました。ありがとうございます。失礼しました。」
昴「ちょっと待った!!(廊下にて、文香を呼び止める)」
文「!? は、はい・・・;」
昴「(やっぱり・・・紗綾に似ている・・・)」
文「? ? あ、あの・・・」
昴「『さや』・・・」
文「さ、『さや』・・・?」
昴「あ、いや・・・何でもない・・・ 呼び止めて悪かった・・・」
文「は、はい・・・失礼します・・・」
文「(『さや』・・・って『鞘』?『莢』? いや・・・あの様子だと・・・人名だよね・・・ 誰・・・なんだろう・・・)」
6
昴「すみません。カスミソウ・・・売っていますか?」
「ありますよ」
昴「花束にしていただいてもいいですか?小さめの・・・」
「はい わかりました。」
「お会計、―円です。」
昴「これで。ありがとうございました。」
「にしても、カスミソウだけって・・・珍しい客もいるもんだな・・・」
「あぁ、あの子 毎週、カスミソウだけ買っていくんですよ。」
昴「・・・」
-病室-
昴「紗綾。お前の好きなカスミソウ買ってきたぞ。生けておくな。・・・ ・・・」
昴「紗綾・・・俺が何を言っても、まだ目を覚ましてはくれないんだな・・・」
昴「『あの日』・・・護ってあげられなくって・・・ごめんな・・・ 早く・・・目を覚ましてくれよ・・・!紗綾・・・!!」
7
「今日の練習はここまで!みんなお疲れ!!」
「ありがとうございました!」
文「(私も帰ろう・・・)」
輝「(やっと部活終わった!!帰ろ帰ろ)・・・お?」
輝「ねぇ!君!間違っていたらごめん!!ちょっと待っててくれる?」(グラウンドから大声で呼び止める)
文「!? は、はい・・・」
輝「待っててくれてありがとう!」
文「え、えと・・・あの・・・?」
輝「ん?あ、あぁ!ごめん!!俺、高2の松井 輝!えっと・・・文香ちゃんで・・・合ってる?」
文「あ、は、はい・・・ 永野 文香ですけど・・・」
輝「よかったぁ!」
文「あの・・・私に、何か・・・?」
輝「あ、えっと・・・よかったら、一緒に帰らないかなって!」
文「は、はい・・・」
輝「もう時間も遅いし、女の子が一人じゃ危ないでしょ?」
文「あ、そ、そうですね」
文「(・・・女の子、か・・・)」
8
輝「あ、文香ちゃん。俺、これから昴兄に会うけど・・・一緒に来る?」
文「す、すば・・・?」
輝「あ、えっとね・・・俺の従兄でね こう、白い髪と赤い目の・・・ 後ろで一つに縛っているんだけど・・・わかる・・・?」
文「あ・・・高3の・・・?」
輝「そうそう!よかった・・・伝わって」
文「一緒に・・・いいんですか?」
輝「もちろん!」
-数分後-
文「(病院・・・?)」
輝「昴兄ー!」
昴「輝!・・・君は・・・」
文「初めまして!永野 文香です・・・高1です・・・」
昴「東条 昴。高3だ。よろしく。永野。」(握手)
文「よろしくお願いします。東条先輩・・・」
輝「なぁ、昴兄・・・紗綾姉は・・・」
昴「まだ・・・覚めない・・・」
輝「ま、まだ・・・?だって、あれからもう5年も経っているのに・・・!」
文「覚めない?5年?どういうことですか・・・?」
昴「話せば長くなるな・・・ ・・・まぁ、いいだろう」
昴「今、このベッドで寝ているのは藤野 紗綾。俺の幼馴染だ。」
文「(この人が・・・『紗綾』さん・・・)」
昴「こうなったのは、今から5年前の・・・中1の時だな」
-回想-
紗(当時13歳)「昴ー!川が気持ちいいわ!」
昴(当時13歳)「あまり、奥に行くなよ!紗綾!俺はここで釣りしているから」
紗「見て!昴!ここにたくさん魚が・・・きゃっ!?」(足を滑らせる さらに、流れがやや早いため流される)
昴「紗綾!紗綾!!」
昴「無事に見つかったんだが、当たり所が悪くて、この通りだ・・・」
文「・・・」
昴「助けてやれなかった・・・俺が・・・見ていなかったために・・・」
輝・文「・・・」
9
昴「(紗綾が今、普通に生活していたら永野みたいなんだろうな・・・)」
部長「あ、東条君 珍しく外した・・・」
「百発百中のあいつが・・・?」
「わ、わざとだよね・・・」
昴「気が逸れました。今日は帰ります。部長」
「え?ちょっ、東条君!?」
昴「(今日、行ってもまだ覚めないだろうな・・・)」
文「あ、東条先輩。」
昴「永野か・・・部活はどうした?まだ、時間あるだろう・・・?」
文「あ、今日はお休みだったんです。先輩は?」
昴「今日は、調子が悪いから早退させてもらった」
文「・・・そうなんですか。紗綾さんのこと・・・ですか?」
昴「まぁな・・・」
文「5年も眠っているなんて・・・」
昴「あぁ・・・」
文「早く、覚めるといいですね」(少し作り笑い)
昴「そうだな・・・ ん?電話・・・? もしもし・・・え?紗綾が!?いっ、今すぐ行きます!!」
文「え?あっ、東条先輩!待ってください!!」
10
昴「紗綾! 目が覚めたんだな・・・おかえり・・・」
紗「・・・? 誰・・・?」
昴「紗・・・綾・・・?」
文「初めまして。私、金田高校1年の永野 文香です。」
紗「永野・・・文香・・・?初めまして、藤野 紗綾です。」
昴「紗綾!覚えてないのか・・・?昴だ!お前の幼馴染の!」
紗「・・・?」
昴「紗綾・・・」
文「記憶・・・喪失・・・?」
昴「そうだな」
文「あまり長居しても紗綾さんが・・・」
昴「今日は、もう帰るか・・・紗綾、いつものカスミソウ生けておくな」
紗「カスミソウ・・・?」
紗「・・・!!」
紗「ま、待って・・・!『昴』・・・『昴』なの・・・!?」
昴「さ、紗綾!?お、思い出したのか!?」
紗「えぇ!昴・・・昴なのね・・・」
昴「あぁ・・・おかえり、紗綾・・・」
紗「ただいま・・・昴・・・」