005 サイドC1 作戦会議
とあるスェールの王都作戦室での陸軍将校と士官との会話
「大隊の動きはどうなっているかね?」
「第1から第3大隊は予定通り旧イナメル領への進攻を開始しました。現地のレジスタンスの協力もあり、予定よりも1カ月ほど進行が速いです」
「4、5大隊のほうはどうだ?あちらは進行しにくい沼地が多いからな。補給路などの整備も怠るなよ」
「わかっています。進捗情報はあまりです。やはりこちらの魔道騎士は旧式ですから沼地に入ると整備期間が延びて作戦に支障をきたしますね」
「わかってはいたがそろそろセミナディルから飛行中隊の訓練が終るはずだがそっちはどうなった?」
「ダベンポート大佐、飛行中隊は実戦経験はありません。戦線に配置しても戦力になるかどうか・・・」
「誰が戦力として使うといった?彼らには別の任務についてもらうつもりだ」
「別の任務というと?」
ダベンポート大佐と呼ばれた男はデスクから立ち上がりカップにコーヒーを入れながらこう言った。
「簡単な話だ、彼らには荷物を運んでもらう。」
「では補給中隊として編成するのですか?」
「ああ、あとセミナディルへ金はかけてもいいからあと1個中隊、もしくは2個中隊の訓練をしてもらいたい旨を送ってくれ。返事次第では上には話足が話しを通す。」
「では、今すぐにでも書類を作成してまいります」
「まぁ、待て。まだ話はある」
士官にコーヒーを渡し彼はソファーに腰を下ろした。
「ありがとうございます。で話とは?」
「第6、7独立大隊についてだが彼らはどうなっているかね?」
「現在はバルバントの国境線上の敵魔導部隊との戦闘中との伝令がありました」
「それで?」
「はい、敵は新型を出してきたらしく魔導兵器でありながら魔法を使ってきたようです」
「魔法を?交戦したのはどこの隊だ?」
「第424魔導小隊です。」
「424小隊か、3週間前に配属されたばかりだったな?」
「はい、資料によると第7独立大隊では3番目に撃墜数が多い小隊です。それと所属不明機を1機鹵獲したとの報告も上がってきています」
「鹵獲機か?どこの所属機だ?」
「それが国籍は我が国のものなのですが、三代前の部隊章を付けているそうです」
「なるほど、搭乗員はどうなっていた?ミイラか?」
「いえそれが生きているらしく今は独房の中にいるようです」
「では私から小隊長に護送命令を出そう」
「護送ですか?いったいどこへ?」
「王都だ」
「私は戦争をしたいのではない。ただ私は新しい国を見てみたいのだ」