プロローグNO.02
私はこのチャラチャラした感じが好かなかった。
彼の隣の娘との話が終わると、次は私の番…。
(嫌だ。嫌だ…)
「こら!!石岡!初日から騒がしいぞ」
「すんませ-ん」
バーコードはげだけどいい先生だった。
「あ-先生職員室に忘れ物取りに行ってくるわ〜」
先生が教室を出ていった。まだ会って数十分のクラスメート。みんな静かだった。
一人の男を除いては。
「俺、石岡健斗。よろしくな」
私の前に回り込んで手をさしのべる。
「は、はぁ…」
私は渋々手を差し出した。すると石岡はニカッと笑った。
不覚にもその笑顔がかわいかった。私に挨拶したのもつかの間。すぐに他の人の所に行って自己紹介を始めた。
ホントなんなんだろう。そう考えていたら石岡が教卓の前に立って宣言しはじめた。
「俺!石岡健斗はぁ!!こうみえて彼女いない歴15年!!だがぁ!!今日、俺ん中に春が訪れた!!」
辺りが騒がしくなる。それにも気にせずに石岡は続ける。
「俺は、とある女子に一目惚れした!!それは…」
「石岡ぁー!!」
バーコードはげの先生が入ってきた。結局誰なのか解らずじまい。
石岡は急いで席についた。なんだかソワソワしてるのが私にも分かった。
校内に休み時間を告げる鐘がなる。
その音と共に、石岡は私の前に立ちふさがる。
「こらー。石岡。まだ挨拶終わっとらんぞ」
お構い無しに石岡は続ける。
「俺、お前に惚れた」
「……………はぁ!?」