49:みんなでお風呂! ②
ローラお姉ちゃんが、いきなり走り始めました。
そんなに慌てなくてもお風呂は逃げませんですのに。
はて、昨日のお風呂とは反対方向に走り始めましたね。
なら、おいていかれるのはイヤです。
追いかけますです。
お姉ちゃんが一番奥の部屋に跳び込みました。
さっきソーニャさんが「こんよく」って言ってたお風呂ですね。
ふつうのお風呂と違うのでしょうか?
楽しみなのです!
あれ?
お姉ちゃんが、止まってますね。
どうしたのでしょう?
およ、リョーヘイが脱衣所にいます。
でも様子が変ですね。
「あんた! これ、どういう事よ!」
「い、いや! あのね、その、何というか。まあ、風呂……、だよね。
うん、そう! お風呂! それ以上の意味は無い……よ」
リョーヘイ、何だか消えそうな声ですね。
あと、なんでローラお姉ちゃんは怒ってるですか?
あれれ? 奥からもう一人出てきました。
リアムお姉ちゃんです。
わぁ! リアムお姉ちゃんの肌は凄く綺麗です。
なでなでしたくなりますね。
なるほど、リョーヘイもリアムお姉ちゃんの肌をなでなでしたくなって一緒にお風呂に入りたくなったんですね。
それなら、わかります。
とうぜん、メリッサもいっしょに入ります。
服を脱ぎましょう。
「ちょ! ちょっとぉ! メリッサ! あんた何してるのよ!?」
「はい? ですから、お風呂です。ローラお姉ちゃんは入らないですか?」
「入る訳無いでしょ!」
なぜでしょうか? ローラお姉ちゃんにタオルで前を隠されました。
これではお風呂に入れません。
困りますね。
そう思ってると、リアムお姉ちゃんがローラお姉ちゃんに向かってしつもんしてきました。
「風呂に入らないのでしたら、何をしに混浴に来たのでしょうか?」
ホーント、そうですよね。
あれ?
もしかして、リアムお姉ちゃんも怒ってるですか?
理由は分からないけど、これは良くないです。
どうやら、ここはメリッサの出番なのです。
「また、ケンカですか! ケンカはダメです! みんなで楽しくお風呂に入るのです!」
お風呂に入ってしまえば、みんな気持ちよくなって怒る気持ちもどこかに吹き飛んでしまうのです。
それがお風呂の素晴らしいところなのです!
だから、メリッサはローラお姉ちゃんを振り切ってダッシュです。
「「「危ない!」」」
わっ!
滑っちゃいました!
何かつかむモノはないでしょうか! いっしょうけんめい手を伸ばします。
何か柔らかいものがあります。
捕まえた!
「ぎゃああああああああああああああああああああああああああ!!」
なんでしょう? 凄い悲鳴です!
ドシッ!
あたた、倒れるスピードが遅くなって助かりました。
でも結局、倒れちゃいましたね。えへへ。
おろ~、なぜかリョーヘイも一緒に倒れてますですね~。
何でしょうか? 何が起きたのでしょうか?
お姉ちゃん達がリョーヘイに駆け寄ってます。
「ちょっとぉ! あんた死なないでよ!」
「御主人様ぁ~!」
リョーヘイが泡を吹いてますです……。
もしかしてメリッサ、何か悪い事しましたですか?




