42:ローラとリアムとメリッサと
う~ん、何であたしはあいつの前で泣いちゃったんだろう。
おまけに抱きしめてもらった時、なんだか少し嬉しかった。
お父さんに似てるのは髪と目の色だけで、後は何から何まで違うんだけどね。
あ、怒らないとこが似てるか……。
事故とはいっても“あんなとこ”触られちゃったんだから、責任とってもらわないといけないのかなぁ?
責任? 責任って何よ!
ああ~、あたし何考えてんのよ~!
でも、まあ、優しいんだよね。
“責任取れ!”って言ったらホントに取っちゃいそうな気も。
顔はまあ、あんなものかな? デックアールヴから見たら人間の美醜なんて気にもならないし……。
って、そうよ!
あいつ人間よ。 やっぱり、あたしおかしいでしょ!
……でも、まあ、例外はあるって事で……
いや、いや。
あ~、もうわかんな~い!
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御主人様、リアムは果報者で御座います。
奴隷に落ちて以来、あんなに真剣に私のために悩んで下さった方は御主人様が初めてです。
皆、私の身体を狙う者ばかり、それが無理となれば、あの馬鹿息子のようにどうにかして殺しに掛かってくる。
リバーワイズ様の付与魔法のお陰で、初期契約は動かせないままだった事で生き延びてきました。
今までは自分の為だけに生きてきた私ですが、今後は御主人様に命を捧げます。
それにしても……、御主人様の強さは凄まじいものがありますね。
あと、何だか言葉一つひとつが格好いいですし……。
あれ、勉強させて頂きましょう。
『悪いですわね。もう手加減できませんわよ……』
な~んてね!
あら、はしたない。もっとクールでいなくてはいけません。
それでなくては、御主人様に相応しい僕とは言えませんからね。
それにして、御主人様は相変わらず、盟約を結んでは下さいません。
でも、これは、もしかして、もしかしてですが……。
御主人様は私を奴隷じゃなく、その、女の子として扱って下さるのでしょうか?
だとしたら、チャンスはあるのかも知れません。
確か、こ、子どもは作れるんですよね、私……。
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お父さんと会えないのは、寂しいのです。
でも、リョーヘイがお父さんのところまで連れてってくれるって約束してくれたです。
お父さんに会えたら、お礼にお嫁さんになってあげるです。
だから、リョーヘイ! ちゃんと頑張るですよ!




