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悪魔のような勇者の伝説  作者: 夜桜
第2章
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次なる目的地

 

『死霊の森』の攻略を終えた僕たちは、再び『アデラントの村』に来ている。


 今回も宿屋に泊ることにしたが、前回とは違い一人部屋を2部屋とることができた。


 あの時はビビったなーとか思い出だしながら苦笑いする。


 今は僕の部屋に二人で集まり今後のことを話し合っている。


「次はどこのダンジョンに行くつもりなの?」


「そうだなー……まずは魔人族の領域の宝珠をすべて集めたいから、魔人族の領域を回ることになるんだが。ちょっと待ってね」


 そうユラにいうと僕は頭の中でルシフェルに話しかける。


『ルシフェル、ここから一番近い宝珠はどこにある?』


『それならここから東に100キロほどの場所にある「記憶の泉」だな。魔人族の領域にはあともう一つあって、それは王都の北1200キロほどの位置にある『氷の王城』にある』


 ルシフェルは答えてくれる。


 ……というかいちいち頭の中で話を聞いてユラに伝えるのって結構面倒だよな。


 前から思ってたけど。


『なら実体化するか?宝珠を一つ取り戻したからできると思うぞ』


 それを早くいってくれよ!てか心読まないで!!


『じゃあ実体化してくれ』


『分かった』


 僕の目の前で黒い光が現れたかと思うと、そこから女性の姿をしたルシフェルが現れた。


 そのことにユラは驚きを隠せないでいる。


 まあ突然目の前に現れたんだから驚きもするわな。


「魔王の娘とは初めて話すな。我はルシフェル。神だった者だ」


 ルシフェルはそう淡々と自己紹介をする。


「え、ええ!?」


「いや、ユラ、ルシフェルって僕の中にいたじゃん?それが宝珠の力で実体化できるようになったらしいんだよね」


「あ、そうなんだ……って普通に言うなー!」


 ユラのツッコミは華麗にスルーして本題に戻る。


「それじゃ次は『記憶の泉』に行くことにしよう」


「……スルーしないでもらえる?」


「ユラこそ神様に挨拶しなくていいのか?」


 そうするとユラはハッとした様子で、ルシフェルに向き直る。


「すみません。申し遅れましたが私はユラ・ベッケンクルス。魔王です」


「これはご丁寧にすまんな。それとヨシト、我はもう神ではないぞ」


 ルシフェルにまでツッコまれてしまった。



 そんなわけで次の行き先は『記憶の泉』にした。


「『記憶の泉』はどんなダンジョンなんだ?」


 僕はルシフェルに尋ねる。


「あそこはダンジョンと呼ぶにはあまりに狭い場所だな。ただ泉があって、そこに一体の魔物がいる。ただそれだけの場所だ」


「死霊使いみたいに厄介な魔物なのか?」


「いや、そんなことはない。あの魔物の戦闘力自体は高くないからな。だが、油断はできない。死霊使いも昔から『死霊の森』の長ではあったが、ずっとあの森にはいなかったからな。それが今になってあの森に現れ、宝珠を手にしていたのだ。我もあれには驚かされた」


 マジか。


 あいつの名前からして、ずっと『死霊の森』にいたものだと思ったが。


「ルシフェル様、一つ質問をしてもよろしいですか?」


 ユラは丁寧な口調でそう言う。


「構わんぞ。それとユラ、お前もヨシトのように楽な話し方をしてくれると助かる」


「あ、えっと、わかった。『記憶の泉』にいるのは魔物ではなく大精霊だと聞いたことがあるんだけど、本当に魔物なの?」


 ユラはいつも通りの口調に戻った。うん、こっちのがユラらしくていいな。


「うむ。あれは精霊と呼ぶには少し禍々しすぎるしな。たしかに奴の名前は『記憶の精・フェリア』ではあるが、精霊ではなく魔物だな」


「そうなんだ」


 しかし、精霊みたいな名前しといて魔物とは、なんともわかりにくい。


「そうだ、ユラ。ステータスを確認しておこう」


「そうね!えっとステータスプレートっと」



 ユラ・ベッケンクルス 16歳 女 Lv:76

 称号:『魔王』『禁術級魔術師』

 筋力:3900

 体力:10000

 耐性:2750

 敏捷:4000

 魔力:7600

 スキル:『詠唱破棄』・『詠唱短縮・改』・『並列思考』・『火属性魔法適性』・『風属性魔法適性』・『闇属性魔法適性』・『強化』・『破壊の光』



「え、なにこれ。すごい能力上がってる!」


 いや僕も驚きだよ。


「ヨシト、そういえばヨシトも『並列思考』ってスキルあったと思うけど、どう使うの?」


「あれは、複数のことを同時にやったり、複数のことを同時に考えたりできるんだよ。僕もたまに剣の生成と、移動と、魔法の発動を同時にしたりしてただろ?それのことだな」


「なるほど。これは便利そうね」


 ユラは納得したような表情だ。


 また、称号の『禁術級魔術師』は、少し前に手に入れた称号らしいが全ての魔法適性の効力が上級から禁術級に上がるらしい。


「ヨシトのも確認しよ」


「うん。そうしとこうか」


 僕もステータスプレートを出す。



 桐生義人 17歳 男 Lv:55

 称号:『魔神』『真実の探究者』『冷酷な殺戮者』『軍師』『禁術級魔術師』『生成魔法の使い手』『覚醒者』

 筋力:11500

 体力:28000

 耐性:9200

 敏捷:15800

 魔力:14000

 スキル:『詠唱破棄・改』・『詠唱短縮・修』・『闇属性魔法適性』・『並列思考』・『空間認識』・『強化』・『真実の眼』・『称号・スキル獲得通知』・『言語翻訳』


 これはまたとんでもないことに。


 ユラも驚きすぎて固まっている。


 まあたしかに人とは呼べないよな、もう。


 まず、新たな称号と進化した称号についてだ。『禁術級魔術師』はさっきの通りだ。


『魔神』 宝珠数:1


『魔神』となった者に与えられる称号。闇属性魔法に高い適性を持つ。魔神の宝珠を集めることでさらなる力を得る。

 ステータス上昇・ルシフェルの実体化・闇属性魔法『血の嵐(ブラッディテンペスト)』使用可能


『軍師』


 戦争の指揮を的確に行える者に与えられる称号。


『生成魔法の使い手』


 生成魔法で効率の良い生成を行え、かつ伝説級の武器を生成できる者に与えられる称号。複数の武器の生成を同時にできるようになる。


『覚醒者』


 ??????????????????



 これを見て最初に思ったのは『覚醒者』ってなんだよってことだ。


 ルシフェルに聞いてもわからないようだ。


 まあ後々分かると信じて進むしかないな。


 そんなわけでステータスも確認した僕たちは明日、次の宝珠を手に入れるために出発する。


 ……案外すぐに宝珠集まる気がしてきた。



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