桜咲く街
瀬那·····Saas系上場企業のトップセールスマン。性格はハッキリしていて仕事中は厳しいが、小さな変化にすぐ気付いてフォローしていることから部下からは姉御と呼ばれ慕われている
満田要······瀬那に語りかけるなぞの特攻隊員。瀬那との関係とは、、?
奏·····瀬那の幼馴染み。特殊な病気を専門で扱ってる病気のリハビリ先生で、小さい頃からなんでも溜め込みがちな瀬那のことを常に気にしてる
翌日、奏と2人で高速バスに乗り込んだ。
満田要………
昨日からずっと、頭から離れないこの名前。
そして全てを覚悟したようなあの目。
どうしても忘れられない。
そしてそんな私を気遣ってか、普段うるさいくらい話が止まらない奏は驚くほどに静かだ。
「……不安?」
奏が恐る恐る聞いた。
「うん……でもなんか怖いとかじゃないの。なんかこう、ワクワクでもなくて、、何て言えばいいんだろう」
「別にいーじゃん♪とりあえず、そのモヤモヤが消えれば安心でしょ!」
「そうだね、、」
「こんな弱ってる瀬那見るの中学の中体連決勝のあと以来かもね笑」
「あれはさぁ……笑」
「瀬那が勝てば勝てるなんてプレッシャーかけられちゃったらね笑」
特殊病状のリハビリの先生だからか、話の逸らし方がうまくて自然とリラックスできてる。
「もーちょいでつくよ!パパ暇だから連れてってくれるって!」
奏パパ、、
中学時代遠征に行く度に運転をしてくれてたからか、私を含めチームみんなを娘のように接してくれる根っからのいい人。
「久々だなぁ奏パパ」
「瀬那に会いたがってたよ!」
~♪<まもなくいわき駅に到着です。お荷物のお忘れもの~>
あ、着くのか。
久々の地元だぁ、、、
「お!いたいた!奏!瀬那!」
なんで老けないんだろう奏パパ笑
「お久しぶりです!すみません、急に無理いっちゃって」
「いーのいーの!暇だったからドライブしたかったし!」
「じゃあパパ、行こ!瀬那も乗って♪」
…きっと、奏から聞いてるんだろうな、私がおかしいって。
それから会社での出来事や昔話をしていたらあっという間に着いてしまった。
「ついたよ~!これは凄いね」
ほんと、道一直線に桜が咲いてる。
凄い綺麗、、、
「じゃあ奏と瀬那は2人で行ってきな!おじちゃんは車でタバコ吸いながら花見してるから!」
「「いってきます!」」
「瀬那どう?まだ頭痛い?」
「いや、それが全然で、むしろスッキリしてるんだよね」
「そっかぁ、予想外れたかなぁ」
二人でまったり桜を見ながら歩いていると木漏れ日と一緒に何か聞こえてくる。
「……な、ひな、おかえり」
そう聞こえた時にはからだが浮く感覚があって、そのまま眠りについた。
この物語は一部歴史の実話を含むフィクションです。
歴史上の出来事以外の登場人物や場所は一切関係はございません。