父の帰り
雛子(瀬那)·····現世ではSaas系上場企業のトップセールスマンだった。誰かの声に導かれて雛子として大正末期の1920年に生まれ変わり、日本軍のとある部隊の隊長の娘としていきている。
吉田幹夫·····輪廻転生した主人公、雛子の父。帝国軍のある部隊の隊長を務めており、部下からも慕われている。
吉田幸·····輪廻転生した主人公、雛子の母。専業主婦で大きい屋敷を取り仕切っている。
今日はお父様が帰る日だ。
学校が終わると図書館にも寄らずすぐに帰宅した。
「ただいま戻りました!」
「あら、今日は図書館寄らなかったの?」
「今日はお父様が帰る日ですよね?出迎えをしたいのですぐに帰ってきました!」
「そうなのね笑もうすぐお父様が帰ってくるから身支度整えてきなさい」
「わかりました!」
わたしはすぐに部屋に行き、制服から普段着に着替えた。
そして大広間にいくとお母様がお茶を入れてくれていた。
「お母様、お母様は座ってないと」
身重のはずのお母様はいつも通り屋敷の手入れや家事を行っていた。
「まだ大丈夫よ!動いてないとたくさん食べるから丸くなってしまうわ笑」
「でも、、、」
妊娠初期は流れる可能性もあるからなるべく静かにしててほしいのが本音である。
「あなたを身籠ったときもこのようにしてたらこんなに賢い子が生まれたんだから、同じくすればいい子が生まれるかもしれないでしょ」
お茶を2人で飲んで話をしているとチャイムが聞こえた。
「戻ったぞ!」
お父様が戻ってきた!
「お父様!!」
「おぉ、雛子!元気にしてたか」
「はい!お父様もお怪我などされてませんか?」
「このとおりピンピンしてるから大丈夫だ」
「おかえりなさい。ご帰宅お待ちしてました」
「おぉ雛子!元気にしてたか」
「はい!お父様もお怪我などされてませんか?」
「このとおりピンピンしてるぞ」
「よかったです!」
「おかえりなさいませ」
「あぁ、幸、ただいま。俺がいない間家を守ってくれてありがとう」
「それは、わたしの仕事ですから、、、」
お母様が照れている。。。かわいい、、、
「お母様、いつご報告を?」
「報告?何かあったのか」
「そうね、お父様にも報告しないとね。お茶を入れますのでその時にお話ししたいことがございます」
「わかった、私は一度着替えてくるとするか」
そう言うとお父様は自室に着替えに戻った。
「お父様、どのような反応しますかね笑」
「きっと驚いてしまって反応できないのではないかしら笑」
お茶を飲みながらお母様とそんな会話をしていた。
「はぁ、やっぱり家はいいなぁ」
着替えてきたお父様は椅子に腰掛けながらぼそっと呟いた。
「こちらどうぞ」
「あぁ、ありがとう。幸がいれてくれるお茶は一番落ち着く」
「そう言っていただけると私もやりがいがあります笑」
「ところで報告って何があった」
「...先日、月のものが来なかったので病院に行ったところ、妊娠していることがわかりました」
「....ホントか!!!!男か!女か!」
「まだ初期なのでそこまでわかりませんよ笑」
「そうか、、雛子はお姉ちゃんになるんだな!」
「立派なお姉ちゃんになれるようにこれからも勉強頑張ります!」
「いや、勉強は今のままでいい。その代わり、弟か妹ができたらお前が守ってやるんだぞ」
「もちろんです!でもお母様、安静にしてないとって言ってるのにまだ家のことひとりでやってしまうのですよ?」
「それが幸だからな笑じゃあ明日からはお前も手伝ってくれるか?」
「もちろんです!」
「幸、雛子にもできることは雛子に任せるのだぞ。お前の性格はわかっているが雛子がやりたいそうだ笑」
「フフッわかりました。じゃあ雛子、明日からお手伝いよろしくね」
お母様はそう言うとわたしに微笑みながら声をかけた。
お父様が無事帰還してくれてよかった。
これからは日常が戻ってくる。そう思ってたのもつかの間だった。。。
この物語は一部歴史の実話を含むフィクションです。
歴史上の出来事以外の登場人物や場所は一切関係はございません。