キミと逢うまで
瀬那·····Saas系上場企業のトップセールスマン。性格はハッキリしていて仕事中は厳しいが、小さな変化にすぐ気付いてフォローしていることから部下からは姉御と呼ばれ慕われている
奏·····瀬那の幼馴染み。特殊な病気を専門で扱ってる病気のリハビリ先生で、小さい頃からなんでも溜め込みがちな瀬那のことを常に気にしてる
「はぁ、、やっと終わった」
巷では華金だって盛り上がってるのにわたしは残業していて気付けば22時。
新卒で入社して5年がたち、営業の成績が入社から2年間トップだったことがきっかけで3年目にはマネージャー、そしてこの歳では珍しく今年から副部長になった。
自分の取り柄は小学生1年生から兄の影響でやってた剣道で培った根性と体力だけ。頭がいいわけでもなければ特別秀でてるものもない。
わたしの会社では月1回の全社PLMTGという会議があり、地方拠点含めた全事業部の部長/副部長が参加して現状の報告をする。それが週明けにあるのだが部長がなにもしないポンコツであるせいで、資料作成や事業部の数字管理、落ち込んでる部分の補填案作成までわたしがやらなければいけない。
···♪
あ、奏から電話だ
「瀬那~おつかれ~~!」
「んーおつかれ」
「その感じ、今終わったとこ?」
「大正解」
奏は小学生からの剣道仲間で幼馴染み。今は北海道の特殊な病院でリハビリの先生を行っている。
「今羽田着いたよ!」
「お、じゃあちょうど良さそうだね」
「そうだね!まっすぐ瀬那んち向かうね!」
「ごはんは?食べた感じ?」
「どーせ瀬那また残業してると思って食べてません笑
駅前のファミレス一緒に行こ♪」
奏はわたしのハードワークを心配して、3ヶ月に1回くらいのペースで会いに来てくれることもあり、わたしの最寄り周辺にはやたら詳しいのだ。
「おっけー、じゃあ先帰って着替えてくるから着きそうになったらLINEしてね」
「わかったよん!今日もお疲れさま!」
「うん、ありがと」
奏は昔から思いやりがあり、少しの変化にも気付く人間で、誰からも悪口を言われない人。
ハッキリ物事を言っちゃう私とは正反対の人間だな。
…部長に全データ共有も終わったし、わたしも帰るかぁ
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「瀬那~~!」
「長旅おつかれ」
「今回飛行機遅れなくてよかったよぉ!こないだ2時間遅れでキツかったもんね」
「あー、わたしがレンタカーで迎えに行ったやつね笑」
前回奏が来たときは、飛行機が2時間遅延して電車がなくなってしまい、急遽わたしが車レンタルして迎えに行ったのだ。
「ほんと!瀬那いなかったらわたし野宿するところだった笑」
いつも気遣ってくれて相談のってくれてる人が困ってるのだから、迎えに行くくらい容易いことだった。
「奏、お腹空いたし早く食べに行こ!」
「そーだね!」
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「明日はどーする??」
ドリンクバーのコーラを飲みながら奏が聞いた。
「なんか先週の夜中にテレビで特攻隊特集やっててさ。ちょっと気になるから靖国神社いかない?」
特攻隊。わたしが知ってるのは太平洋戦争で日本がアメリカに対して行った無謀で無惨な攻撃を行った部隊だということ。
現代では零戦(ゼロ戦)と呼ばれる飛行機には片道分しか燃料も入れてもらえず、飛行機ごと船艦に突っ込んで攻撃する自爆テロのようなもの。
そんな特攻隊の特集を、残業帰りのごはんを食べてる時にふとテレビで見たことでもっと当時の状況や真実について知りたくなっていた。
「おー、いいね!じゃあそのあとは近くで散歩しながら喫茶店巡りしよ!」
「うん、そうしよ」
そんな会話をしていると注文した商品が届いた。
「お待たせしました、チーズハンバーグステーキお二つになります」
「おいしそう!機内食もなかったしお昼ぶりだ!いただきまーす!」
その後、わたしの家に帰宅した2人は疲れがたまりすぎていたこともあり、そそくさとシャワーを浴びて眠りについた。
この物語は一部歴史の実話を含むフィクションです。
歴史上の出来事以外の登場人物や場所は一切関係はございません。