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8. 外人さんのJK制服コスってエロいよね

年が変わって4月のよく晴れた朝、都内山の手の閑静(かんせい)な住宅街の外れに建つ歴史ある学舎の今日は入学式である。

鬼ヶ崎ラムは数日前に最寄り駅前にあるセキュリティのしっかりした3LDKの分譲マンションに引っ越していた。

そこを購入したのは夏に模試でA判定をもらった直後である。

その一室に防音工事を(ほどこ)すためのリフォームがつい1週間前に終わったところだった。

そこから家具等を入れて整えてからの引っ越しなのでギリギリに入学式に間に合ったといったところだ。

鬼ヶ崎寧々(ねね)は株式売却とともに相続税納付が完全に終わって改めて銀行員の丹沢との交際をスタートした。

ラムが引っ越した日にはさっそく丹沢と夜を過ごしたらしい。


白いブラウスに赤いリボン、グレーの胸にエンブレムの付いたブレザーとプリーツスカートには

それぞれ袖口(そでぐち)(すそ)に幅広の白いラインが入っている。

鵬皇(ほうおう)学園高等部の女子生徒の制服である。可愛い

ついでに白いワイシャツに青いネクタイ、スカートの代わりにスラックスが男子生徒の制服である。どうでもいい


鬼ヶ崎ラムは外人モデル体形なのでノーマルの制服を着てもちょっと目のやり場に困る感じになってしまう。

他の新一年生のサイズ感とは違ってくるのだ。長い手脚が余計に目立つ。

膝丈のスカートが自然に膝上になっていて白いソックスと焦茶(こげちゃ)のローファーの間の剥き出しの美脚を主張してくる。

見られることを前提としたミニスカよりも無防備な印象が(あや)うさを演出している。

ブレザーのボタンを外すと色味(いろみ)の差から

ブラウスの下の発達した胸から腰のくびれまでの立体的なラインを(あら)わにしてしまう。

ブレザーのボタンを留めても自然とタイトに締め付けられた肉体の存在が強調されることになる。

ブラウスに隠された鎖骨から伸びる白く長い首に卵形の小さな頭、

栗色の緩いウェーブのかかったロングヘアが肩に流れて人形のように整った顔を乱す口もとのホクロひとつ…

ぶっちゃけ、とてもエロいです。


「ママ、これの正解は何?」


「ああもうこれはラムちゃんはこういうものとして堂々としてるしかないね。

電車通学を避けて正解だったわー、人気(ひとけ)のないところをひとりで歩かないでね。

防犯ブザーを用意しなくちゃ。

学校は…気をつけなさいとしか言えないわ」


なんていうやりとりを数日前に済ませた鬼ヶ崎母娘が(のぞ)んだお披露目の鵬皇学園高等部入学式である。

思った以上に皆の視線は釘付けとなっていた。もう開き直るしかない。

さすがに見るなとは言えないなとラム自身も思っていた。


学校の門の脇には警備も兼ねた受付所があり

敷地の周囲は高い鉄柵で囲まれていて防犯カメラがそこここに設置してあった。

敷地内の草木は綺麗に整えられ歩道も丁寧に()き清められている。

歴史ある学校らしく古びていても重厚で高級感のある立派な校舎は周囲に溶け込んで品よく(たたず)んでいた。

鬼ヶ崎ラムは小さく拳を握って(つぶや)いた「やった!」

無邪気にこれからの学校生活に胸を(ふく)らませる娘を微笑ましく見ていた鬼ヶ崎寧々はフト思う

(まだ未婚の31歳なんだけど…美少女の若い母親ムーブもこれはこれでアリね)


講堂での入学式の後はそのままクラス別けの発表から教室への移動、

担任の紹介と時間割り他資料の配布で解散となり各自待っていた保護者と合流して帰宅するなどするのだが、

鵬皇学園は名門らしく幼稚園から大学までのエスカレーター式であったので

生徒の多くは中学部からの友人同士で集まってキャッキャとはしゃいでいた。

内輪(うちわ)では下からの推薦で入学する者を内部生と呼び、受験で入学する者を外部生と呼んでいる。

高等部の定員は200名だがそのうち外部生は50名だけである。

実は学校の偏差値よりも受験に合格した者の偏差値は高いのであった。

内部生は外部生に対してあからさまではないが壁を感じている。

内部生には()え抜きであることと多数派であることによる優越感があるが

能力に対する劣等感も同時に抱えているのだ。

対する外部生はこのあたりの事情について入学直後のこの時期ではまだ知りようもないことだった。

実は入学式前から非常に目立っていた鬼ヶ崎ラムに話かけたいと思っていた生徒は多くいたのだが

明らかに外部生であるがために表面上は何もなく終わった。

ラムはそのまま寧々の元に戻って帰宅した。

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