59. ラムちゃんインド化計画
「ラムちゃん、ダイエットでも始めた?
いつもは男子みたいなガッツリ系をモリモリ完食してたのに最近は軽めのメニューばかりじゃない。
大丈夫なの?」
「ああ、夜ご飯をちゃんと食べるようになったからね。むしろ正常化?」
「ちょっと、どんな食生活してたのよ!」
「んー、朝はコーヒーとバタートーストでー、お昼はココのやつ。
夜はコンビニのおにぎりかサンドイッチとサラダだったよ」
「よく今まで生きてきたね…生活力が乏しいのは知ってたけど限度があるよ。
夜はどうして変わったの?」
「うちのマンションの隣にママがお友だちと一緒にカレー屋さんを作ったんでそこで食べてる」
「カレー屋さんって駅前に出来たっていう珍しいスイーツのとこ?
へー、おば様が作ったんだ。わざわざ娘の住んでるマンションの隣に。
随分、愛されてるじゃない」
「エヘヘ」
「子どもの顔して照れちゃって。可愛いかよ!」
※※※※※
「で、バンドの打ち合わせをなんでカレー屋でやるんすか?
なんか、学校の女子の間でここのスイーツ流行ってるらしいっすけど、
鬼さんってそういうのスルーするタイプの人じゃないすか」
「あ、流行ってんだ。よかった。
ここにしたのはママと紀香さんがやってる店だからだよー
売り上げに貢献しなきゃだから」
「いがいいがいー、流行りの店が身内だったってオチかー」
「そういうことっすか。
しかし、アタシらってそんなに甘いものが好きなメンツでもないからなにがいいんすかねー」
「だったらいつものようにバーガーにしよ?みんなそれでいいかな?」
「バーガーってメニューに載ってないみたいっすが。まあお任せするっす」
「紀香さーん、バーガーとアイスチャイ、4つずつでお願ーい」
「はいはーい」
卍卍卍卍卍
「バーガーって、タンドリーチキンバーガーっすか!そりゃそうかカレー屋だし」
「うんうん、美味しいねこれー」
「ヨーグルトソースがマッチしててとても美味しいです」
「これって裏メニューなんすか?普通に売れるんじゃないすかねー、ちょっとクセになる味っす」
「これ、私がワガママいって作ってもらったんだー、これ売れるってさー紀香さん」
「じゃあ、売ってみよーかな」
カマラの看板メニューがこの時、誕生したとか。
「で、今後の活動なんだけどさ。
マネさんはこのままネット中心に外向きの対応をお願いするとして。
キャンファとしては充電期間というか、そんな時期だよね。
単独ライブ目指してもいいくらいな感じではあるんだけど持ち曲が4曲だけじゃあね。
それで次の土曜日はスタジオ練習はお休みして金さん銀さんにはウチに来てもらおうかと」
「イマイチ何すればいいのか分かりませんけど、とりあえずそれでいいっす」
「おけおけ、鬼さんち楽しみー」




