52. 前日はなんかマッタリするよね
「私が遊撃部隊ってなにすればいいの?」
「この看板持って校内をテキトーに一周してきたらいいんだってさ」
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1年3組でメイド喫茶やってます!
このメイドさんの後に着いてきてね!
声かけ禁止、お触り絶対禁止だよ!!!
来てくれたらなにか良いことあるかも?(๑>◡<๑)
♡♡♡
メイド一同、ご主人さまのお帰りをお待ちしています(^^)/
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「やっぱりノーパ」
「違うから」
「私ひとりでこれやるの?」
「いやいや、シズカがそんなことさせるわけないじゃん。
ラムちゃんは隊長だからテキトーにローテ組んでやってって。
基本、2人ひと組での出撃でいいと思うよ。ツーマンセルってやつ?
このノリはよく分からん。
初回と午後イチだけは勢いが欲しいから隊長自ら出撃求むって指示」
「ミドリちゃんは遊撃部隊じゃないの?」
「私はトラブル対応の憲兵隊らしい」
「なるほどハマる人選。シズカちゃん、やっぱ有能だわ」
「ね。意外な才能。友だちとして嬉しいよ」
学園祭前日である。
ラムはバンド優先なためクラスのメイド喫茶では客寄せパンダとして遠慮なく利用されることとなった。
ラム以外の遊撃部隊にはコミュ力に不安がある者やラム同様サブカルに疎い者が配置された。
余裕を持たせた作りであるとはいえ、40人収容のクラスの空間では接客を担当する人数は限られる。
メインでメイドさんとしてサービスするのは分かりみの深い精鋭がやればいい。
華のあるラムやS5女子メンはたまにヘルプで入るくらいが丁度いい。
要するにレアキャラ扱いでリピーター狙いの采配である。
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体育館では機材の搬入を行なっていた。業者が。
前日搬入で組み立てておいて、当日は朝イチからPAのセッティングを業者が行なって午後から開場開演となる。
学園祭は2日間行われるのでトリをとるキャンファの出番は2日目になるが、
機材は据え置きとしたために現在搬入されているわけだ。
「なんか本格的だね。高校の学園祭とは思えないよ」
「機材がああ見えてヴィンテージってやつで結構高価なんでね。
自腹上等で楽器輸送の専門業者と夜間警備は必須とさせてもらったんだよ」
「そのへんの容赦のなさはラムちゃんらしいよ。やっぱり生き方からスターって気がするね。
ラムちゃんは話すと普通の15歳としか思えないのに不思議だよ」
「メシアくんだって簡単に要望受け入れてくれるけど実際に学校と交渉したりで実現させるのは大変なはずだよね。
やっぱり上に立つと決めた人間って特別なんだよ。
まだ半年程度の付き合いだけどS5の人たちは皆んな頑張ってる。
私は友だちとして応援してるんだよ」
「ラムちゃんが優しくなった」
「だってやっと下半身隠してくれたじゃん」
「グハッ!やっぱり容赦ない…」




